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 スリランカは、石油、石炭、天然ガスの産出がなく、エネルギー源は河川水による水力発電に依存しているが、近年、エネルギー問題が深刻化している。
 石油や電力などの商業エネルギーに対する需要は、最近の経済活動の活発化、所得水準の向上および輸入の自由化などによって、著しく増大している。
 しかし、原油は全量を輸入に依存しなければならず、電源開発も十分に進んでおらず、代替エネルギーの開発は殆ど着手されていない。全般的にみて、政府のエネルギー対策は立ち遅れており、エネルギー危機に十分対応できていないのが実情である。
 電力供給能力(1992年)は35億4,000万キロワット/時で、このうち水力発電量が29億キロワット/時である。雨不足などにより、水力発電が落ち込んだ場合、その不足分が火力発電に求められている。
 このため、石油製品の輸入は輸入総額の12.6%に達している。
 このような状況のなかで、政府はマハベリ河開発計画の実施により、大型ダムを相次いで建設しており、最終的にはピーク時の電力需要を賄えるとしている。

 

 

 

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