
工業部門(鉱業・採石、製造業、建設業および電力を含む)は、労働人口の18.8%を占め、GDPへの寄与率は29.2%(1990年)に達している。 工業生産は1980〜90年の期間に、年平均46%の伸びを示した。
鉱業・採石は、労働人口の1.3%を雇用し、GDPの1.5%(1990年)を占めている。 スリランカの鉱物資源は、エネルギー源としての石油、石炭、工業用の鉄、非鉄金属原料などに乏しいが、その中で宝石は紅茶とともに世界的に有名で、その種類は多く(エメラルド、オパール、ダイヤモンドを除いて、約20種類が発見されている)、また、その量も豊富である。政府は宝石公社を設け、融資、開発、輸出に当たらせている。 宝石はスリランカにとって最も重要な鉱物輸出品であり、輸出総額の&6%(1990年)を占めている。 次いで、黒鉛がスリランカの輸出商品として重要な鉱産物となっている。 その他の重要鉱物としては、イルメナイト(品質は世界最高)、モナザイト、ウラニウム、タイル用粘土、陶磁器用カオリン、セメント用土、石灰石、石英、長石、雲母などがある。
石油探査活動は、旧ソ連、米国、カナダなどにより、陸上・沖合開発調査が相次いで行われてきたが、いずれも期待した良い結果は得られていない。
製造業は、GDPの18.6%(1990年)を占め、労働人口の12.6%を雇用している。 スリランカにおける製造業で重要な分野は、食料品(製造業生産総額に占める割合:28.9%)、衣類(同12.3%)、化学品・石油精製・ゴム・プラスチック、飲料・タバコ、繊維・織物などである。 なかでも、衣服(既製服)製造業は、1991年にスリランカ最大の外貨収入(8億5,000万米ドル)を記録している。 1980〜90年の期間に、製造業のGDPは年平均6.3%の割合で増加している。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|