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 漁獲量のうち、サメ、イワシ、エイ等の魚類の水揚げが約30万トン、エビは約3万トンとなっている。
 魚類は主として刺し網(Gill Netting)漁法によって漁獲され、その大半は魚粉(Fish Meal)用等として加工され、食用の比率は30%程度と低い値となっているが、これはひとつには貯蔵・運搬手段の不備から鮮度の保持が難しいこと、更に宗教上の理由から特にバルチスタン州などでは、魚を食料とする習慣が少ないことなどがその主な理由とされている。
 一方、エビはその大半が日本、米国などに輸出されており、パキスタンにおける貴重な輸出産業となっている。
 漁業部門の生産が国内総生産(GDP)に占める比率は、僅かひ5%にも達しないが、漁業従事者総数は全国で約20万人(うち海洋漁業は8万人強)といわれており、また国民の蛋白資源の確保、外貨の獲得などの観点から、政府も漁業の振興には力を入れている。

 

 

 

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