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 造船部門の不振から、同社では早くから事業の多角化を推進しており、一般産業エンジニアリング部門の強化に努力している。
 各種産業機械、ボイラ、圧力容器、各種鋳造・鋳鋼品など、その製品分野は極めて広範多岐に亘 っ ている。
 また更に、造船部門のアイドル対策として、近年では船舶解撤業の分野にも積極的に進出している。

 パキスタンにおける船舶解撤業は、比較的古い歴史を有してお り 、1950年代からカラチ港で行われていた。
 その後、工事量の増大と港湾の 輻 鞍に伴い、立地の変更を余儀なくされ、カラチの35マイル北西にあるバルチスタン州の グワダル 海岸へ移転して現在に至っている。
 最盛期には、業者数は150、労働者数は1万人ともいわれ、一時は世界第2といわれたパキスタンの船舶解 撤 業も、現在では下降傾向にあり、輸入スクラップ用の老朽船に対する輸入税などの減免等、助成措置が求められている。

 

 パキスタンにおける造船業への助成措置については、(1)船舶輸入の制限、(2)船価に対する補助金の交付、(3)輸入造船機材の関税、販売税の免除等の造船助成優遇策が講じられている。
 これらのうち、(1)につい ては未だかって発動されたことはなく、有名無実化して

 

 

 

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