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大手海運業者であるので、これらの当事者または関係者と常時接触を保ごとが取引きへの第1ルートである。
 そのためには、船主にとって有利な条件、あるいは高度の技術を必要とする特殊船、経済船などの資料を常に提供して、先方の関心を高めることが必要である。

(7)競争相手国との競争条件の比較

(A)延払い、船価、晶質等条件の比較

 インドが海外発注の場合、わが国は性能、品質、建造期間などの点で優位にあるが、船価については、英国および英連邦諸国はインドにおける輸入関税制度による特恵税率の適用という恩典があることからして、有利である。
 また、韓国を初めとするいわゆる第3勢力の船価は、日本及び欧州造船国よりも低く、支払いも国際協定に拘束されないので、長期クレジットを条件とすることができる有利性がある。
 インドの保有船舶には、旧ユーゴ建造のものが多数あるが、これは支払条件のうちの決済通貨にインド・ルピーによることを認めるケースがあるためで、インドが外貨を使用することなく、自由通貨で輸入できる利点があるからである。

(B)輸出対策

 従来、インドの新造船発注先は、日本および欧州(ドイツ、英国、スペイン、旧ユーゴ、スウェーデン、イタリア、オランダなど)であるが、最近では韓国が活発な受注活動を行っている。
 このような競争の激しい国際市場では、価格、品質、納期、支払条件の4つの基本要素が勝利への腱となることは明らかである。
 従って、円高の高騰が進む日本にとっては、先ずこれら造船国との建造コストの格差をどのようにカバーするかを検討することが必要である。

(C)歴史的、経済的なつながり

 インドは、1600年に英国が東インド会社を設立し、1858年に英国の直轄植民地となった。
 第1次大戦後、マハトマ・ガンジーなどによる反植民地闘争が全土に展開し独立

 

 

 

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