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を目指したが、回教徒とヒンズー教徒との宗教対立が激しく、結局1947年8月15日に英連邦内の自治として、インド(ヒンズ ー教徒)とパキスタン(回教徒)と分離して、それぞれ独立し、1950年にインドは共和国となった。
 インドの外交政策は、非 同盟、善隣友好 ( 自由独立、不干渉、自由な発意を前提とした外交。米ソなどとは是々非々の関係 ) の維持を基本方針と し、また中国、ベトナムなどの社会主義国あるいは近隣諸国への接近や関係改善を図っている。
 わが国とは、1952年4月に平 和条約を結んで外交関係を樹立し、57年に文化協定、58年に通商協定を締結した。同協定では、入国、滞在、貿易などについ て相互の最恵国待遇が規定されている。その他、航空協定、租税協定、科学技術協力協定など二国間協定が締結されており、 経済関係を中心に両国との緊密な友好協力関係が維持されており、また大きな政治的懸案問題もない。
 わが国とインドとの貿 易関係では、戦前は綿花、戦後は鉄鉱石の輸入を中心に拡大した。
 インドからの綿花および鉄鉱石は、日本の軽工業および重 工業の発展に大きく貢献した。
 92年度における日印間の貿易動向をみると、インドにとって日本は輸出全体の8.9%を占め、 米国に次ぐ第2位の輸出市場であり、輸入相手国としては米国、ドイツ、サウジアラビア、ベルギーに次ぐ第5位の供給国で、 輸入全体の7.1%を占めているが、日本の貿易額に占める対印貿易の割合は1%未満に過ぎない。
 日本のインド ヘ の主要輸出 品目は、機械・設備(輸出構成比約55%)、鉄鋼・同製品(約13%)が中心となっている。
 日本の輸入では、ダイヤモンド、 鉄鉱石、エビなどで、輸入全体の約70%を占めており、また繊維製品、化学製品などの伸び率が高い。
 一方、インドの開発需 要に伴う資本財需要も強く、長期にわたって日本側の出超が 統 いている。

 

 

 

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