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この点、わが国はこれらの条件ならびに地理的にも有利であるため、受注の機会に恵まれていたが、今後相手国も対応策を講じることが十分に予想される。
 従って、わが国としては、船主との接触を密にし、納期、船価、延払条件、技術面や運航面での経済性などをPRし、船主側の希望を満足させるような資料を提供して、優位な点を常に認識させることが、取引きに結ぶルートである。

(7)シンガポールとの歴史的、経済的なつながり

 シンガポールは、1819年に英国がこの地に貿易港を建設して以来、自由・中継貿易港として発展し、1867年に英国の直轄植民地となり、英国の東南アジアにおける政治・経済・軍事上の拠点として急速な発展を遂げた。
 1963年にシンガポールは、マラヤ連邦、サバ・サラワクとでマレーシア連邦を結成し、英国から独立したが、人種、政治、経済上の問題で連邦と対立し、1965年8月9日マレーシア連邦から分離独立し、同年12月22日シンガポール共和国となった。
 わが国との関係では、両国間に懸案事項として取り扱われるような問題はなく、二国間関係は良好な状態で推移している。近年、シンガポールでは、多くの分野において日本の知識や経験を学ぼうとする意欲が旺盛であり、両国間の交流が順調に行われている。
 貿易関係では、恒常的に日本側の大幅出超が続いている。
 わが国は、シンガポールの重要な貿易相手国であり、95年の輸出入総額は298億4,500万米ドル(日本側通関統計)で、マレーシア、米国に次ぎ第3位、シンガポールの日本からの輸入は、230億100万米ドルであり、シンガポールの日本への輸出は、68億4,400万米ドルとシンガポール側の大幅赤字となっている。

 

 

 

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 対日貿易の大幅赤字について、自由貿易を経済の基本とするシンガポールは、国別の貿易アンバランスは問題としない立場をとっている。
 対日貿易は、シンガポールおよび周辺諸国に進出している日系企業の生産財の輸入、あるい

 

 

 

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