シンガポールの造船業の事業所数は、小型貨物船、曳船、はしけ、補給船などの造修を行う小規模な造船・修理工場、およびオイルリグ関連工場などを含めると、180社を超えており、従業員数は、下請業者の外国人労働者を含め約23,000人(92年現在)である。
このうち、大手4社(ケペル、センバワン、ジュロン、日立造船シンガポール)が売上高の約85%を占めている。これら大型造船所に次いで、Far East Levingston Shipbuilding(FELS),Singmarine Dockyard,Pan−United Shipyard,Singapore Technologies Shipbuildingなど中型造船所が4社ある。
シンガポールは、ドック能力(合計280万DWT)からして、世界最大の修繕能カを有し、10万DWT〜32万DWT級の大型タンカー及び32万DWT以上の超大型タンカーの修理が可能である。
シンガポールでは、大手4社による修繕船設備の能カ拡張が相次いでいるが、新造船でも中小型船を中心に競争が激しくなっている。
シンガポール造船業界の売上げの約70%は、修繕部門によるものである。92年の修繕部門の売上高は、19億3,600万シンガポール・ドル(前年比約13%減)となった。
新造船部門は、91年の売上高は1億6,200万シンガポール・ドルで、曳船とバージが隻数では85%、トン数では64%を占めている。新造船部門の近い将来の見通しは悲観的であるが、中・長期の見通しとしては特殊船が有望であると発表されている。
シンガポール大手造船所の95年の決算によると、各社とも当初の予想を下回る結果となっている。
造船部門でみると、ケペル、センバワン、ジュロン各社の売上げは、横這いか減少、利益は