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為替管理は、中央銀行が政府に代わって統轄し、同行総裁がその最高権限を有するが、実際の運営に当たっては、許認可権の多くが外国公認為替銀行(95年2月現在38行)に委譲されている。なお、外為管理規定は94年12月に緩和された。
 為替管理制度は、イスラエルとの取引きが規制されている以外は、すべての国に同等に適用されている。

  (C)輸入資金の調達状況

 船舶その他の品目の輸入は、品目により各種の輸入ライセンスを必要とするものがあるが、ライセンスを取得すれば、輸入代金の外貨調達の際、何の認可も必要なく、手持ちの資金を商業銀行で外貨に交換することができる。
 特にマレーシアの船舶輸入は、国営の海運会社が主であるので予算の裏付けもあり、輸入代金の調達には問題ない。

  (D)契約条件

 マレーシアにおける船舶輸入契約の支払条件は、現金払いのケースもあるが、延払いを条件に契約をする場合が一般的である。
 わが国からの輸出船の実例では、延払い期間は契約価格の80%を8年分割払い方式にしたものが多くみられたが、70%を7年の延払いというケースもあった。一般に国際慣習の基準に従って契約している。

  (E)取引ルート

 マレーシアにおける船舶など資本財の輸入は、政府または政府機関が当事者となっている場合が多いので、サプライヤーとしては、資料の提供、新造船の紹介、建造実績などのPR活動を行い、常時これらの関係先と接触を保つことが取引きのルートである。

(7)マレーシアとの歴史的、経済的なつながり

 マレーシアは当初、マライ半島、ジャワなどマライ群島に居住していたマレー人に、インド、タイ、中国などからの移住民が進出して、15世紀中頃までマラッカ港を中心とするマライ半島西岸にマレー王国を建設して住んでいた。その後、16世紀にポルトガル、17世紀にオランダ、18世紀には英国と、相次いで外国の侵略を受けたが、1914年に英国がブルネイなど5州を統合して英国領植民地となった。
 その後、第2次大中の日本軍の占領を経て、1948年に英国支配下のマラヤ連邦が成立した。しかし、英国に対し完全独立を要求し、1957年8月マライ半島の11州が英国支配から脱却し、連邦国として独立を達成した。その後、1963年にシンガポール、サバ、サラワクが連邦に参加したが、シンガポールは1965年8月に分離独立した。

 

 

 

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