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海洋漁業による漁獲高(トン数べ一ス)は、漁船の増強に伴い、過去数年問に著しい伸びを示しており、東南アジア有数の漁業国となった。
 

 

 

 

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 漁獲物の種類は、エビ、イカ、貝類などが多く、特にエビの輸出は、93年には輸出総額の3.7%(378.4億バーツ)を占め、タイ国にとって貴重な外貨収入源となっている。
 水産物の輸出先は、日本が最大であり、次いで米国、シンガポール、香港となっている。
 日本に対する輸出品(93年)のうち、エビが6億2,900万ドル、イカが1億7,500万ドルに達している。
 一方、近隣諸国のうち、マレーシア、シンガポールヘは鮮魚、冷凍魚、魚粉などを中心に輸出している。

  (B)漁業開発計画

 タイの保有漁船は、零細企業による小型漁船が主流となっているため、政府は漁船の近代化、機械化、大型化の推進にカを入れている。
 漁業の振興を図るため、タイ政府は、わが国の技術協力の下に、エビ養殖計画を実施したほか、アジア開発銀行の融資を得て漁船の近代化、流通施設の改善など、漁業開発プロジェクトを実施してきた。
 また、水産庁は水産業の開発計画に従い、冷凍漁船の導入、トロール漁法の導入、漁具・漁法の改良、既存漁船の機械化、外洋への進出、陸上施設の改善と輸送網の整備などを実施している。
 この結果100G/T以上の鋼造漁船については、92年の11隻(5,682G/T)から95年には29隻(16,962G/T)へと急速に増強・拡充された。

  (C)漁船保有状況

 タイの漁船総数は約3万隻といわれ、その殆とが6トン〜20トン型木造船である。このうち、約2万隻は動力船で、その約半数は船外機を装備したものである。
 100G/T以上の鋼造漁船は、1995年末現在29隻(16,962G/T)であり、最近10年間におけ

 

 

 

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