日本財団 図書館


 組織の構成員は、モデル地区活動推進指導員・推進員、地域安全活動連絡員と市営住宅に住む者は勿論のこと、役員やアドバイザーとして町内会長、被害者等を当てた。特に夜警に備え、性能の優れた懐中電灯10個、赤字に白抜き文字の防犯腕章26点を揃えたが、これらの経費は当モデル地区活動推進母体の「広島西警察署管内防犯組合連合会」が負担した。
 夜警体制も間隔を衝かれ数件の被害があったが、それまでの数十件の被害に比べると僅少。
 10月初旬になって犯人(19歳の少年2人)は、市営住宅に住む主婦の不審者通報で逮捕され以後、同所からこの種の被害発生はなくなった。
 「自分達の安全は、自分達で守る」を合言葉に結成したこの自衛防犯組織は、その後も町内会傘下の市営住宅防犯組合として存続している。

 5 モデル地区活動の効果

 モデル地区指定を受けるまでの当地区は、一般的な防犯活動に終始していた。
 即ち、定例的な行事の実施と一部熱心な活動家の行動範囲内での実績に止まっていた。
 モデル地区指定を基に、事業推進の専従事務局長も配置し、地域安全活動の必要性を管内住民に共通して認識させるとともに、組織的活動の実践を目指した。その方法として、推進指導員・推進員、連絡員を軸に地区座談会、研修会等、様々な形で地域住民との触れ合いと絆を深め理解を求める努力を行った。とりわけ、地域の実態を細かくつかんでいる主婦層に対してボランティアの裾野の広がりを図った。
 現在、地域により温度差はあるものの“パイロット事業効果”に加え、女性パワーにも刺激されて着実に自主活動は活性化し、安全意識も急速に上昇していることが窺える。

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION