示している。すなわち、
である。
図9・27は雨による物標の探知距離の減少を示したものであって、横軸は降雨量を毎時当たりのインチ(in/hr)で目盛ってある。図の実線は雨域の外の向こう側に物標があって、雨は電波の伝搬の減衰にのみ寄与している場合で、かつ、雨が探知距離全体に均一に降っているときである。物標が雨域の中にあると、雨の水滴による反射波によって物標からの反射波をマスクし、それによって探知距離も減少する。図の点線はこの効果を含めた探知距離を三つの物標について示したものである。この減衰曲線は気温によって若干の差があるとされているが、波長3cmのレーダーではほとんど無視できる。
図9・28は雪やあられによる同様の減少を同じ三つの物標で示してある。前の図と比較をすると降雨量が増加しても、電波の減衰はあまり増加しないのに、雪の反射は雪の粒が大きくなると大きくなる。このことは降雨時の温度も影響を持つことになる。
図9・29は霧による物標の探知距離を、視程を横軸に目盛ってある。霧の場合は温度により減衰がかなり変化をするので極地方の霧(0℃)、温帯(16℃)、さらに熱帯(25〜30℃)の三つの曲線に分けて三つの物標について示してある。