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るので、流れ込んだ電子のほとんど全部が右側のPN接合部に到達する。このときこの部分には電子を右側へ引き寄せる電界があるので、電子は右側のN形の部分に流れ込み、電流が電子の移動方向とは反対の方向に流れ始める。左側のN形半導体の部分をエミッタ(E)、中央のP形分をベース(B)、右側のN形部分をコレクタ(C)と呼ぶ。

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 コレクタから流れ出す電流は、エミッタからベース部分へ流れ込んだ電子が(+ )電位によって引張られて流れるものであるから、その電流の大きさは、ベース・コレクタ間の電圧にはほとんど影響を受けない。また、エミッタからベース部分へ流れ込んだ電子は、そのほとんどすべてがコレクタ部分へ流れ込むから、ベース電流はわずかしか流れず、ほとんどがコレクタ電流となる。エミッタからベース部分へ流れ込む電子は、エミッタ・ベース間の順方向電圧に比例するのでコレクタ電流はエミッタ・ベース間の電圧に比例することになる。

 以上はNPN形トランジスタを例に取って説明したが、PNP形でも電池の接ぎ方が逆になり、キャリアがホールになるだけで原理は同じである。〔図4・16(a)(b)参照〕

 図4・17はトランジスタ各部の電流の流れる様子を示したものである。コレクタ電流はエミッタ電流の98〜99%、べース電流は1〜2%程度である。

 

 

 

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