次に、図4・18に示すようにエミッタに小さな交流電圧信号を加え、コレクタに負荷抵抗を接いだ場合を考えてみよう。エミッタ・べ一ス間は順方向バイアス電圧が掛かっているので、小さな信号電圧でも電流は大きく変化し、その電流がコレクタ、負荷抵抗を流れので、負荷抵抗の両端には大きな信号電圧が現れる。これが増幅の原理である。

　なお、図4・15のトランジスタの記号中PNP形とNPN形の区別は、エミッタ・べース間に順方向電流が流れる向きにより、PNP形ではエミッタからべ一スに向かった矢印で、NPN形ではその逆の矢印で示されている。

4・3・3 トランジスタの特性

　主に規格表に示される、トランジスタの特性を表す定数について以下に述べる。

(1) 電流増幅率

前ページ　　　 目次へ　　　次ページ