接合部(空乏層になっている。)に光を当てると自由電子とホールを生じ、それぞれがそのダイオードに掛けられた電圧に引かれて移動し、電流が流れる効果を利用したものである。
ダイオード上面の透明なガラス窓を通して光を受け、光量に比例した電流を流す。光検知器などに用いられる。
(6) 発光ダイオード
Light Emitting Diodeの頭文字を取ってLEDと呼ばれる。適当な不純物濃度のPN
接合ダイオードに順方向電流を流すと、一度生じた自由電子とホールが再び
結合するときに、緑色、又は赤色の光を発する。スイッチのON・OFF表示や、
また、計測器などのディジタル表示に用いられる。
(7) バリスタ
電圧によって抵抗値の変化するダイオードで、各種の金属酸化物の粉末を成形
して作ることもあるが、pn接合の非直線性を用いることもある。二つのpn接合
ダイオードを逆の極性で並列に接合すると、正と負のどちらの電圧にも順方向
の特性となり、低電圧では高抵抗、電圧が高くなると(シリコンでは約0.7V以上)
低抵抗となるバリスターを構成することができる。
(8) サーミスタ
この章の初めに、半導体は温度が上がると抵抗値が減少すると述べたが、サー
ミスタはこの性質を利用したもので、周囲温度の変化によって半導体を用いた
回路の特性が変動するのを防ぐために用いられる。図4・13(a)に回図上の
記号を、図4・13(b)に特性を示す。
注*
構造、特性、動作原理ともダイオードとは異なるが、半導体回路によく使われる半導体なので、二端子素子としてこの項に加えた。
なお、ダイオードの回路図上の記号は種類が違っても特に区別しない場合が多い。記号に付された名称で規格表を調べる必要がある。