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5.3 開発課題の抽出

概念検討を行った「燃焼状態の把握分析」「ピストン・シリンダライナ摺動部の状態把握分析」「クランク軸等回転部分の状態把握分析」並びにこれらの情報を含め統合した「主機関運転データの全体把握分析」からなる機関分析システムを開発する場合、夫々の問題と開発課題を以下に示す。

描出した根拠は主として各機関分析システム開発・販売会社にヒアリングして得られた情報に基づいている。

5.3.1 燃焼状態の把握分析システムの問題点および開発課題

(1)問題点

?ハードウェア(センサ、システム)上の問題点

ハードウエア上で問題があるのは筒内圧センサである。

筒内圧センサの耐久性の点で、燃焼残澄物が導管の申に言古まったり、センサ内に堆揮したりして連続使用に限界がある。堆積物を除去するブロー弁を取付けるなど対策を構じても連続使用は7ヶ月程度である。さらに長時間の使用を可能とする耐久性が必要である。

高速ディーゼルエンジンでは、センサまでの導管申の残圧の抜けが悪く使用は難しいと思われる。

?ソフトウェア上の問題

イ)筒内圧センサ、吸・排気弁の排気ガス吹抜け振動センサはいわゆる雑音(他の振動、圧力変化等)を拾うため情報を識別するソフトウエア上の対策が必要である。

ロ)診断機能のためには、表5−2−1−2のセンサ情報と従来から温度、圧力、回転数の情報を総合的に判断するソフトウエアの開発が必要である。

・主機型式等各機器に合ったものが必要

・実船ではプロペラによる振動、補機から来る振動、波による船体動揺等による外乱信号がある

?費用上の問題

筒内圧センサは1シリンダ当り約40万円(センサのみ)と高価であり、システム中の費用に占める割合が大きい。

 

 

 

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