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“観光山形”の情報発信に大きく貢献
「紅花の山形路」をスーパーキャンペーン


山形県商工労働観光部観光物産課長

長澤 好光

 本県の県花であります「紅花」を冠した観光キャンペーン「紅花の山形路キャンペーン」につきましては、皆様方のご協力・ご尽力を得ながら昭和56年度から展開しているところであり、以来16年の実績を誇り、豊富な観光資源に恵まれた「観光山形」のイメージアップと情報発信に大きく貢献してきたところであります。
 最初に、このキャンペーンが展開されるにいたった経緯について、若干触れさせていただきたいと存じます。
 ご承知のように昭和57年に東北および上越両新幹線の開業が予定されていたところでありますが、本県は、両新幹線の谷間に位置するため、本県観光の将来に対する危機意識が相当高まっていたことから、昭和57年から旧国鉄と共同でデスティネーション・キャンペーンを展開することで官民一致し、この受け皿として、前年の56年に県・市町村・民間が一体となった実行委員会を組織し、プレ・キャンペーンを実施することによって開始されたものであります。
 このキャンペーンは、平成4年度の「べにばな国体」を目標年次としたところでありましたが、この間、昭和57年度、63年度、平成4年の3年度にわたり、旧国鉄・JRと共同してデスティネーション・キャンペーンを展開してまいりました。
 また、国体終了後の平成5年度からは、「自然・歴史・文化・体験観光」を新たな主要テーマに掲げ、毎年度に重点テーマ・地域を設定して展開する「新紅花の山形路観光キャンペーン」を5年間継続して実施することとし、平成5年度は「出羽三山開山1400年」、平成6年度は「平成奥の細道巴蕉生誕350年記念」、平成7年度は「新上杉歴史街道」、平成8年度は「紅花の山形路旬華酒湯(しゅんかしゅうとう)」と、県内4つの地域ごとの特色をそれぞれのテーマに掲げて展開してまいりました。
 この結果、この16年間に県内270余りの観光拠点への観光入込み客数(延)が約3000万人から約4000万人へと約1000万人の増加をみたところであり、相当の波及効果があったものと考えております。
 このような中、平成6年度において、秋田新幹線開業の機会に本県観光への波及効果を高めるため、JR東日本に対し平成9年度における重点販売月間の指定をお願いし、この指定が得られる見通しがついた平成7年度以来、上記の地域一巡後の集大成という意味も含めて、平成9年度には大型キャンペーンを展開する方向で関係方面との協議を重ねてまいったところでありました。
 また、運輸省運輸政策局観光部では、国内観光促進の具体策として、観光デスティネーション開発協議会を地域に設置し、地域と旅行関連産業が連携して、地域の実情に応じた具体的な観光振興策や手法を検討し、展開していく事業に取り組んでいるところでありますが、山形県は沖縄県、滋賀・岐阜県についで全国3番目の事業の採択を受け、平成7年10月に平成9年度の大型キャンペーンに向けた第1回の山形観光デスティネーション開発協議会を開催させていただきました。この協議会では旅行に対する消費者の二一ズが大きく変化しており、キャンペーンも新しいスタイルを必要とされているので、これらに対応できるキャンペーンを組み立てていく必要があるとの基本的な方向づけがなされました。
 その後、平成8年1月に開催された第2回の協議会では、県内の観光地や施設等を視察していただいた後、旅行代理店各社、JR東日本、航空各社の輸送関係機関のキャンペーンに対する呉体的な取り組みの考え方を提案いただき、その中でワーキンググループによる事業検討の提案もいただきました。

 

 

 

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