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“四国は一つ”統一した共同キャンペーンを展開
観光を通じ、地域を振興、経済を活性化

四国運輸局企画部長
(四国観光立県推進協議会副会長)

川西 徹


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1. 四国観光立県推進協議会のこれまでの活動

 平成4年(1992年)11月、第8回観光立県推進地方会議が、瀬島観光立県推進中央会議議長、四国4県(徳島・香川・愛媛・高知)知事の参加を得て開催され、四国における観光振興方策が検討されました。また、会議の結果を踏まえ、翌5年3月から7月にかけてTAP統一キャンペーンが、四国全域を対象に行われることとなりました。
 「四国は一つ」との言葉はかなり以前からいろいろな場面で用いられ、役所のブロック機関や経済団体などでは四国がひとまとまりの地域として取り扱われることも多いのですが、各県が統一・共同して四国外からの観光客誘致キャンペーンを行うことは、比較的新しく、昭和63年11月の「四国大型キャンペーン推進協議会」の発足以後のことです。
 このTAP統一キャンペーンの実施を契機として、四国各県が一体となって四国の観光資源を広く紹介し四国のイメージの高揚をはかるとともに、観光客の誘致促進と受け入れ態勢を整備するため、四国の観光振興方策を「総合的に推進する機関」として平成5年5月に四国観光立県推進協議会が発足しました。
 協議会は、松本恭輔会長((社)日本観光協会四国支部長、(株)百十四銀行会長)の下、四国4県、四国運輸局、四国通商産業局等関係行政機関、JR四国等から構成されており、事務局は香川県商工労働部観光振興課に置いています。TAPキャンペーンの実施により、四国域外からの観光客誘致のための共同・統一誘客活動の必要性の認識が関係者に共有されることとなり、キャンペーンの終了後もTAP四国のフォローアップ事業として、各県及びJR四国が各々同額の拠出を行って共同誘客事業を継続して実施しています。
 協議会の具体的な活動としては、(1)各種の観光展などに協議会として出展・参加(2)特に認知度の低い海外からの誘客については、国際観光振興会の協力を得て、共同キャンペーン活動の実施(3)統一コンセプトに基づく観光ポスターの作成・掲出(4)四国全域を対象地区とした各国語(英語、韓国語、中国)観光地図の作成・配布◎報道機関、旅行・レジャー施設等への観光情報の提供、などです。
 これらの定例的な事業以外で、現在四国観光立県推進協議会が取り組んでいる事業を3つほど紹介いたします。

2. 四国観光交通地域振興アクションプラン策定との連携協力

 四国では、平成10年春に本四連絡橋神戸・鳴門ルートが、翌11年春には尾道・今治ルートがそれぞれ開通予定となっているほか、高速道路や地方鉄道新線空港、港湾の整備が実施あるいは計画されており、これら交通基盤施設の整備に伴い、域内外との間の人や物の流れも大きく変わることが予想されています。
 昭和63年に開通した瀬戸大橋を契機に、他地域と四国との間の人や物の動きも大幅に増加しましたが、四国4県外からの入込み観光客については、四国内の鉄道、高速道路といった交通基盤施設のハード面および受け入れ側の対応といったソフト面も十分整備されていなかったこともあり、同年をピークに以降は漸減傾向になっています。

 

 

 

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