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11 外板組立治具

外板組立治具は、外板をべースにブロック組する場合、曲面である外板の外側から、その形状を保持するための受け台(支柱)を言い、ブロック精度の安定を図るには、欠かせない設備である。大・中型船造船所では、専用の治具定盤に、固定又は取り外し式の治具材をたて、高精度のブロックを建造している。これは、定点治具と呼ばれ、一定の間隔(1000〜1500mmピッチ)で格子状に埋設された、アングル又はI型鋼に治具材(ユニバーサル治具等)を、垂直に固定させたものである。現図から出力された治具表を基に、治具材一本一本が、所定の高さに調節できる仕組みになっている。

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最近はNC化に伴い、小型船造船所でもこの方式を取り入れているが、手作業でこの定点治具表や定規を作成するには、かなり面倒な作業である。簡易的な方法としては、フレーム倣い治具(仮称)がある。これは外板の曲げ型を作成するのと同じ要領で、ボディラインから、ブロック全体の外板(外側)の形状を、2〜3フレーム毎にシームの位置や中間の寸法を計測し、表又は定規にまとめたものである。この方式は、治具材の位置が一定していないので、常に地割りマーキンをしなければいけないのと、治具材に倒れ角度がある場合が多く、ブロックの重量によっては不安定であり、精度上の問題も生じてくる。治具材はスクラップ材を使用することが多く、配材や加工に時間を要し、組立作業の手持ちも発生する。実績によると、定点治具はこの方式の、1/3〜1/4の時間ですむことが分かっている。

 

 

 

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