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・シームラインは、船首・尾端部は正面だけでなく、側面にも投影し、配置や形状を確認する。船型によっては、正面では見えないが、側面から見ると垂れたり、ハネ上がって見える場合がある。普段我々が船を眺める場合、正面よりむしろ側面の方が多い。そのときのシームラインは以外と目立って見える。この場合は、側面でその部分を調整し、正面に戻してラインを整える。ちょっとしたことではあるが、そう言った気配りも必要ではないかと思う。

 

7.3

STEM・FASHIONシームは、側面・平面・正面を見ながら、STEM付近では、中心からの深さを、FASHIONは板幅に注意し、曲げ工法や能力を考慮して、側面から決めて行く。BULBAUS BOW型では、縦曲がりが内・外と、極端に激しくなる場合があるので、周辺の外板との取り合い(R止まりの位置)も考慮して、どちらも曲げやすい様に位置を決める。最終的には、AutoCADに取り込んだ、側面ラインに、描き込む。

 

7.4 曲げ加工を考慮したシームの入れ方

実績からみるとシームの入れ方によって、曲げ工数が下がることは確かである。もともと外板展開は、可展面を除き、非可展面の展開については、あくまでも近似展開であり、場所によっては伸ばしを多めにとり、曲げ加工後に仕上げるケースもある。コンピュータで展開する場合も同じことが言える。展開のアルゴリズムは、過去の実績を基に作られたものであり、決して万能ではないことを、理解していただきたい。それを補い少しでも展開や曲げ、現場取り付けの精度を上げるには、『曲げやすい板』になるよう、シームの配置を行うことが重要になってくる。『曲げやすい板』については、工場の設備、曲げ技能によって異なるが、シームを入れる段階で、曲げ担当者と協議することも、一つの方法だと考える。下記にその一例を示す。

・極端なS字形になっている箇所では、一枚の板にS字曲がりを含まないようにする。

・上下にBOTTOM FLATやSIDE FLAT(R止まり)を含み、縦曲がりのある板では、フラット部が一方に片寄らず、平均になるようにする。R止まりからの距離も、極力短くする。

AutoCADでのシームの割り込みが完了すると、各シームの情報をAutoshipシステムヘ取り込み外板展開を行う。正式の展開は時期的に見て、もう少し後になると思うが、この時点では伸ばしを考慮した仮展開を行い、各外板部材のサイズをチェックする。当て込み材から越える場合は、AutoCADに戻り再度シームラインの調整をする。周囲の板から判断して、調整が不可能な場合は、設計担当者に相談して指示を仰ぐ。部材のサイズがすべて当て込み材に収まることを確認したら、正式に外板展開を行う。次項では、Autoshipシステムを使った外板展開の手順を、シーム及びバットの取り込みと併せて説明する。

 

 

 

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