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以上が、端部丸め(船首)の基準となるR止まりの決め方である。ここで説明した方法は、手作業に近い、手間のかかる仕事ではあるが、AutoshipシステムやAutoCADの機能を十分使いこなせば、すべてをコンピュータで処理することも可能である。ただし、事前検討や判断は、実績と経験を持った人間が、行わなければいけない。手作業とコンピュータを併用し、効率の良い方法を見つけだすことも、大切である。

完成したラインは、Autoshipシステムに取り込み、フェリングの最終段階である、丸め作業に入る。

6.3

船首部のファッションプレート部分の面を作成します。

ファッションプレートの面は基本的に3つの線から作成されます。ステムセンターライン、ステムボックスライン、ラベットラインです。このうち、ステムセンターライン、ステムボックスラインの2つは、船体を作成する時にすでに作成されていると思います。

もし、ステムボックスラインだけしか作成されていない場合は、ステムボックスラインをコピーした後で、半幅を0にして、ステムセンターラインを作成して下さい。

ラベットラインとは、ファッションプレートのエッジラインのことです。つまり、船体側面が船首部で曲り始めるタンジェンシーラインを意味します。この線を作成する方法として2つの方法が考えられます。

一つは、Y=0(センターライン)平面上に元になる曲線を作成し、その曲線を船体側面に投影(Projected Line)して作成する方法です。

もう一つは、船体側面上に埋めこまれた線(Embedded Line)として作成する方法です。

ここでは、Y=0(センターライン)平面上に元になる曲線を作成し、その曲線を船体側面に投影(Projected Line)して作成する方法を説明します。

まず最初に、船首部をどこから曲げ始めるかを決定する必要があります。基本設計の段階では単純にWLの船首端を円弧処理して線図を作成しますが、実際建造される船型ではWLの船首端は、放物線もしくは自由曲線で処理することになります。何故なら、WLにおいて円弧形状であるということは、ステムセンターラインの法線方向に見た場合その面形状は傾きが大きいほど前後にひしゃげた楕円形状になるからです。ただし、ロードWL近傍は、垂直面ですので円弧形状でも宜しいと思います。

フィルムや紙に描かれた線図からユーザーが定規を使用して座標を読み取ったり、AutoCAD上にて線図から座標を読み取ったり、3次元AutoCAD上にて船体側面データから座標を読み取ったり、色々な方法が考えられますが、船首部の曲り始めの位置を複数の点列データとしてオフセットを用意します。

このオフセットデータを基に、Autoship上でセクションラインやタンジェンシーラインの作成と同じように[LoftedCurve(ロフト線)]作成ルーチンを使用してY=0(センターライン)平面上に船体側面に投影する元になる曲線を[Rabbet Base]という名称で作成します。

その曲線を船体側面に投影(Projected Line)してラベットラインを[Rabbet]という名称で作成します。

このように3つの線([Stem CL]、[Stem Side]、[Rabbet])が用意できたらファッションプレートの面を作成します。

[Stem Side]ラインをY方向に1m押出して押出し面[Sf Bow Round]を作成するため、画面左側のツールバー右側の[Create Mode(作成モード)]ボタンをクリックした後で、画面左側のツールボックス右側1番上の[Create Surface(面作成)]ボタンをクリックして、ダイアログボックスを表示させます。

[Extrude(押出し)]タグをクリックした後で、各項日にキー入力します。

[Name(名称)]欄をクリックして反転表示させた後で、[Sf Bow Round]をキー入力します。

 

 

 

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