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2−3 地区別原価形成要因

本節では、アンケート並びにヒアリングで指摘された道内建造船の高価格性に検討を加える。ここでは、主として作業船新造産地である瀬戸内地域と北海道における、部材費と人件費、そして道内と瀬戸内地域を回航した場合の回航費に関して検証する。

2−3−1 地区別の部材費

普通鋼板(無規格厚さ16〜25mm5×20フィート)の北海道と本州(瀬戸内地域)の積算単価(円/kg)を比較したものである(「積算資料」(財)経済調査会より)を比較すると、札幌に比べ函館。釧路の積算単価が多少高留まりしていることが分かる。また、北海道と瀬戸内地域を比較すると、96年9月時点で、札幌で55.0円(kg当り)、函館で56.5円、高松で53.0円、神戸で50.0円となっている。単純に比較すると、北海道(札幌・函館・釧路)と、対象地で最も安価な神戸・姫路とを比べた場合、約1割程度の積算単価の価格差があることが分かる。

普通鋼板の地区別積算単価

(単位:円/kg)

  93/3 93/6 93/9 93/12 94/3 94/6 94/9 94/12 95/3 95/6 95/9 95/12 96/3 96/6 96/9
札幌 70.0 68.0 63.0 59.0 59.0 55.0 55.0 55.0 55.0 55.0 55.0 55.0 55.0 55.0 55.0
函館 71.5 69.5 64.5 60.5 60.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5
釧路 71.5 69.5 64.5 60.5 60.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5 56.5
広島 65.0 62.0 60.0 58.0 57.0 54.0 54.0 54.0 54.0 54.0 53.0 52.0 56.5 52.0 52.0
神戸 63.0 60.0 58.0 56.0 55.0 52.0 52.0 52.0 52.0 53.0 52.0 51.0 52.0 50.0 50.0
姫路 63.0 60.0 58.0 56.0 55.0 52.0 52.0 52.0 52.0 53.0 52.0 51.0 51.0 50.0 50.0
高松 66.0 63.0 61.0 59.0 58.0 55.0 55.0 55.0 55.0 55.0 54.0 53.0 51.0 53.0 53.0
徳島 66.5 63.5 61.5 59.5 58.5 55.5 55.5 55.5 55.5 55.5 54.5 53.5 53.5 53.5 53.5
松山 66.5 63.5 61.5 59.5 58.5 55.5 55.5 55.5 55.5 55.5 54.5 53.5 53.5 53.5 53.5
高知 67.0 64.0 62.0 60.0 59.0 56.0 56.0 56.0 56.0 56.0 55.0 54.0 54.0 54.0 54.0
(注): 1 「積算資料」 ((財)経済調査会  発行より)

        2  普通銅版(無規格  厚さ16〜25mm 5×20フィート)

        3    調査段階はメーカー→商社→特約点→加工業者の最終段階のもの   

普通鋼板の地区別積算単価(札幌・函館・神戸・高松の比較グラフ)

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