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展開法によって、その近似の傾向は異なり、隣接する板が同一展開法なら相殺に働き、異なる展開なら近似の矛盾が出易い。

後工程の精度保持の実状も考え合せる必要がある。

6.2 基線法

展開面上に直線を置き、その線を基準として、実長を追う展開法で、詳しくは基準線法(Base Line Method)と言い、多くの類型があるこの方法に共通する利点は、これまで説明したタスキやマカネの方法が、現図上で展開図形を求めねばならないのに対して、現図では実長関係だけ求めておけば、その現寸で取材時に展開が行えることにある。

6.2.1 基線展開の基本

図2.6.25は、3Frよりなる外板曲面の正面線図である。

基線の立て方:

?@中央のFr線を基準にすることとし、その上下端を直線で結ぶ。

展開の原理に、実長の見える線に垂線を立てれば、その垂線は展開面でも、実長の見える線に直交する、とあるが、正面Fr線は曲線であり、曲線への垂線は作画上定め難い。

そこでこのFr線弧の代りに弦を垂線の対象に用いるためである。

?Aその弦のほぼ中央に垂線を立て、これを展開基線に決める。

この状況を空間見取図(図2.6.26)に示す。

063-1.gif

図2.6.25

 

063-2.gif

図2.6,26

 

基準Fr線(弧)とその弦は、基準Fr面に含まれ、展開基線は、このFr面に直交する面(基線面)に含まれる。

この基線面上で基線は曲線であるが、正面での前後Frの「落ち」に大きな差がなければ、曲り量は僅かで、この展開したい曲面の四つ角を、同一平面上になるように押下げて拡げると、得られた形状は展開形状であり、そのとき基線は基線面上を動いて、同じ実長の直線になる……と推論するのである。

この押拡げて展開したとき、基準Frはどうなるか、基準Fr面と展開基線は斜交しており、Fr線の両端点は、押拡げによりそれまで載っていた基準Fr面を離れ、展開平面上に落ちる。正面Fr線の弧(曲線)は実長を同じくしながら、展開平面上に移るが、Fr端点間の距離は拡

 

 

 

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