図のような補強板が、面に平行な圧縮応力を受けるときに現われる座屈には次の二つの型がある。
(。) スチフナがほとんど変形せず、座屈が主として平板のパネルに生じる場合
(「) 補強板全体が一体として座屈する場合
スチフナの曲げ剛性が小さいときは、板の全体としての座屈が起こり((「)の型)、スチフナの剛性を大きくするほど座屈強度が高まる。しかし、スチフナの剛性がある限度以上になるとパネルだけの座屈が現われる((。)の型)。補強板では一般にパネルだけの座屈が生じるように計画される。パネルだけの座屈の場合の取扱い方は前と同様である。
補強板が横荷重を受ける場合のたわみと応カは計算図表を用いて求められる。
3.4.5 柱
主として軸方向の圧縮荷重を受ける構造部材を、柱という。断面の寸法に比べて長さの長い柱がその縦軸に沿って圧縮力を受けるときには、圧縮破壊する以前に第3.21図のように、横方向のたわみを生じて腰がくだけてしまう。このような現象を(柱の)座屈という。
一般に、柱は二つの水平部材の間隔が変わりそうなところに突張りとして配置するもので、船では、ピラーを甲板の間・甲板と内底板の間などに置いて、甲板荷重の一部を受け持たせるとともに、甲板ビームのスパンを短くすることにも役立たせている。また、デリックブームが貨物をつり上げたときにも、同様な圧縮荷重を受ける柱として働く。柱が受け持たなければならない圧縮力よりも小さい力で座屈を起こすようでは、柱としての役に立たないわけであるから、あらかじめ座屈応力を計算して、長さに対して適当な断面寸法を決める必要がある。
座屈に大きな影響があるのは、柱の細長比との両端の支え方である。
a 細長比
断面の寸法が小さくて(細くて)長さの長い柱ほど座屈を起こしやすいことはいうまでもないが、断面の寸法が同じでも、座屈に強いものもあれば弱いものもある。柱の長短の比較の基準は、細長比の大小による。
細長比とは、柱の長さlを断面の最小回転半径kで割った、l/kである。断面の最小回転半径kは、断面の面積をa、断面二次モーメントをI
第3.21図
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