次に例題をあげて説明する。
〔例題〕
船の長さ52.00m、幅9.20m、満載喫水3.15m、満載排水量1,000tの貨物船がある。この船の小型鋼船構造基準で要求される横截面の断面係数Zを求めなさい。また最大曲げモーメントMm=1,600t・mであるときの最大曲げ応力Sbを求めなさい。
(解)
2.3.5 許容応力
上のようにして計算された応力は、縦強度計算に種々の仮定を含んでいるため、必ずしも実際に船体に生ずる応力と一致するとはいえない。また、構造上生ずる応力集中、動的外力の影響、そのほかの計算にのらない種々の要因(例えば、船体の構造材料は一般に腐食あるいは摩耗するため、船体の断面係数は年ごとに減少する)。が考えられるので、安全を保証するためには、算定応力を材料の極限強さよりもはるかに低い許容応力以下に押さえる必要がある。
標準状態では、船の大小にかかわらず波の高さを船の長さLの1/20としているが、実際に起こる海洋波を考えると、これは小型船では波高が過小で、大型船では過大となるので、小型船では許容応力を小さく大型船では大きくなるように、許容応力をLの大小によって変えている。
長年の経験を参考にして、次に示すような許容応力の略算式がある。
(以下で、S=許容応力(?s/?o2)、L:船の長さ(m))
小型貨客船構造基準作成委員会の公式
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