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ホッギングとサッギングでは荷物の積み方が異なるので両状態の重量曲線を各々作製する。この曲線と基線とがかこむ面積は船の全重量を示し、またこの面積の重心位置は船の長さ方向の重心位置を与える。
船体に働く浮力の船の長さ方向の分布を示す曲線を浮力曲線という。この曲線の形はホッギングのときと、サッギングのときとでは大きな違いがあり、第2.28図(b)に示すものはホッギングの場合の一例である。船全体としては重量と浮力の大きさは等しいから、重量曲線に囲まれる面積は、浮力曲線に囲まれる面積に等しい。
船の長さの方向の、それぞれの位置における重量と浮カとの差を示す曲線を荷重曲線といい、縦強度計算の基礎曲線をなすものである。この曲線は、第2.28図(c)に示すように、重量曲線と浮力曲線の対応する位置における縦線の差を、重量が浮力より大きいところでは基線より上方に、その逆のところでは基線より下方にとり、その先端を結んで作図する。荷重曲線の基線より上方の面積と下方の面積とは相等しくなければならない。
荷重によって船体にせん断力が働くが、船の長さ方向のせん断力の分布を示す曲線をせん断力曲線という。ある断面に働くせん断力は、その点から左の荷重曲線の囲む面積に等しいから、左から右へ順々に面積を加えていけば、第2.28図(d)に示すようなせん断力曲線が得られる。船体は自由に水に浮かんでいるのであるから、せん断力曲線の両端の縦座標は0となければならない。また、せん断力曲線の基線上下の面積は各々相等しくなければならない。せん断力は、船の中央附近と両端において0となり、両端からおよそ1/4Lのところで最大となる。
船体に働く曲げモーメントの、船の長さ方向の分布を示す曲線を曲げモーメント曲線という。ある断面に働く曲げモーメントは、曲線の点から左のせん断力曲線の囲む面積に等しいから、左から右へ順々に面積を求めていけば第2.28図(e)に示
 
 
 
 

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