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方にそって図の(b)のようになる。
このように船が上方にそる状態をホッギングといって、ひどくなれば甲板が引きちぎれ、船底にシワがよって、船体が折れることになる。
(b)サッギング
これと反対に波の谷が()にくると、第2.24図(a)のように、船の前後端部で浮力が勝って上方に押し上げられるから、船はちょうど両端をまくら木で支えられたときのように下方にそって図の(b)のようになる。
このように船が下方にそる状態をサッギングといって、ひどくなれば甲板にシワがより、船底が引きちぎれて折れることになる。
このようなホッギング、サッギングによる損傷を起こさないためには、キール・船底外板・船側外板・中心線桁板・内底板・二重底縁板・上甲板・甲板下縦桁・船皮縦材・縦隔壁など、船の長さ方向に縦通する縦強度材の強さを十分にするばかりでなく、それらの部材を構成する鋼板と鋼板、あるいは形鋼と形鋼との継目をとくに十分強固に結合しなければならない。
 

 

第2.24図

 
(c) ラッキング
次に船が横方向から波を受けたり、船が傾いたりすると、第2.25図のように右舷と左舷とで喫水が違い、また片方の舷が波にたたかれるので、ちょうどマッチ箱を押しつぶすような変形が生じる。このような状態をラッキング(ゆがみ)という。
このようなことにならないためには、フレーム・甲板ビーム・フロアなど、船の横方向に並べられた横強度材の強さを十分にするばかりでなく、その四隅は大きなブラケットでしっかりと結合しなければならない。
(d) ねじり
斜めの方向から波を受けるときは、船の場所によって両舷の水面の高さが違うから、もし第2.26図のように、船の前部と後部とで水面の高さの違いが反対になるような場所には、船体はちょうど手ぬぐいをしぼるようにねじられる。
 
 

第2.26図

 
 
 

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