○アルミニウム合金を扱う上での一般的注意事項
(1)保管にあたっては、十分乾燥した場所に枕木等を置いて、木でささえること、決して、直接、土やコンクリートの上に置いてはならない。作業に当っても、軟鋼製の治具の上に直接のせることはできない。
(2)アルミニウム合金は、一般に軟かく、キズがつきやすい。また、キズのついたところから酸化皮膜が破壊されて、腐食のはじまることもあるから、手には手袋をはめ。工具類も、木ハンマーや、あるいは軟鋼用工具に、布等で当布をしたもの等を使わなければならない。
(3)材料と材料の間には、ヤワラ材として、布紙等を入れて運搬する。
(4)プレス等で曲げ加工するときも治具やプレスの型にも、まず当物をして直接当らぬようにすること。
(5)アルミニウムの作業する場合、作業員が軟鋼並の粗雑な扱いをしないようによく周知徹底させることを考えなければならない。
○アルミニウム合金の切断、加工
アルミニウム合金は、軟鋼とは異なり、いわゆるガス切断では切断できない。軟綱の場合は酸素と反応した酸化鉄は、鋼母材より溶融点が低いので、溶けてスラグとなり、切断酸素気流により流されてしまうが、アルミニウムでは、先に述べたように、酸化アルミニウムの方が、溶融点が高く、ガス切断の機構では切断できない。従って、アルミニウムの切断に関しては、次のいずれかによるものでなければならない。
・シャリングマシンによる
・ノコギリによる
・プラズマ切断による
シャリングとノコギリによるものが最も一般的であるが、最近プラズマによる切断が普及しはじめたが。まだ装置の費用がかなり高額になる。
プラズマ切鰍は、TIG溶接のトーチの構造に似ているが、アークを発生させ、そのアークを冷却水で冷却することにより、アークが細く、集中度が高くなることを利用している。従って、プラズマによる切断は、アルミニウムだけではなく、軟鋼に対しても切断可能であるが、何分装置が高価ということと、ある種の開先は得にくいということから、軟鋼に対しては、ガス切断を現在のところは使用している。
曲加工については、当布等の注意は先に述べたとおりであるが、一般にプレス曲げのときは内径半径を、板厚の3倍位にとっておいた方が無難である。
○アルミニウム合金の溶接
溶接岸としては、大きくわけて下記の3種が使われている。ここでははじめの二つについて