日本財団 図書館


第7章 検査及び手直し方法

7.1 一般事項

船舶は、受注生産である限り売り物であり、人命を預る輸送機関でもある。従って、その製造に当ってば、技量、精度、品質、強度、機能、外観等、一定の基準に従って製造されなければならない。また、製造された製品は、これらの面で公的な検査に合格し、品質を保証できるものでなければならない。

7.2 自主検査

売り物に値する船舶を建造するには、各造船所で、技術的良心に従って、自主的に検査が施行されなければならない。自主検査の積重ねの結果として、公的な検査に合格するのでなければならない。

自主検査としては各工程に歩ける品質管理と社内検査とがある。

7.2.1 品質管理

品質管理の主目的を次に述べる。

1)船台上で精度の高い、手直しのない作業ができるように、ブロック形状をよくするために、各工程での精度の向上をはかる。

(2)強度、機能、外観上売り物に値する品物を作るために品質の向上をはかる。

品質管理を行うに当っては

(1)作業基準、精度、品質基準を作成する。

(2)作業者自身がその場でチェックできるように、作業者の指導体制を作る。

品質管理の基本は、正しく加工された部材を正しい位置に、正しい順序、方法で取付けて、形状が保持されたブロックを組立ることである。部材等の僅かな誤差も、累積されれば、大きな不具合を生じる。従って、早期発見ほど、被害は少なくてすむ。

作業にあたっては、作業者自ら前工程の品質を確認すると共に、あと戻り工事がないように、完全に手直ししてから、次の工程に渡すことが基本である。

不具合事項の中で最も多いのは、誤作であり、後工程に行く程、その手直しにかなりの時間を費やしている。その大半は、図面と品物をよくみることによって防止できる性質のものである。

7.2.2 各工程における品質管理

作業に当って、作業者自身が、決められた基本通りに施行されているかをチェックするように指導することが必要である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION