○溶接棒は、JIS規格D4303の棒が、再アーク性がよいので仮付けに適する。
○使用電流は、棒の種類によって異なるので、棒メーカーの指定する適正電流に従う。
仮付け溶接施行上の注意事項
(1)溶接棒は、十分、乾燥したものを使用する。
(2)仮付け面内を、十分、清掃、乾燥させてから行う。
(3)取付け作業者は、高めの電流を好む傾向があり、これはアンダーカット、クレーター等の欠陥の原因になる。
(4)仮付け完了後、必ずスラグを取り、割れ等の欠陥がないか調べる。
(5)ビードが割れた場合には、必ずハツリ取ってから再び行う。
(6)仮付け時に、継手端に必ずランノフタブ(耳タブ)を取付ける。これは溶接始終端部における欠陥の発生を防止するためである。(第5.39図)
(7)重要部材では、面内でアークストライクを行わない。
5.5 軸心見透し
推進軸及び舵軸の軸心を設定するために、軸心見透しを行う。
軸心見透しは、船尾及び機関部の船殻工事完了後、施行する。従って軸心見透しは、船殻工事を進めるにあたっての主要日程の一つである。
5.5.1 軸心見透しの種類と方法
一般には、仮見透しと本見透しの2回に分けて施行する。
仮見透し