(2)開先角度
(3)開先面の粗度(凸凹)やノッチ
開先加工は精度と能率向上のため、できるだけ加工又は組立行程で、自動ガス切断機を使用して、施工するのが望ましい。
船台上で合わせ切り、面取り施工する場合は、次の点に注意する。
(1)切断機をマーキングして、切り込みをみて、線の外側を切断するつもりで切断する。
(2)手動切断機では、直線精度向上のため、誘導輪、直線切断定規を使用する。
(3)板厚に適した火口を使用する。
(4)切断後、面取り中は母材を動かぬようにすること。
(5)切断完了後、面内のスラグを完全に撤去すること。
開先面における切断面の荒さ、ノッチは、溶接施工上、性能上の問題となる。許容限界を越える場合には、重要部材では、グラインダー仕上げ等を必要とすることもある。
粗度の深さの標準
重要部材 0.4m/m〜0.8m/m
比重要部材 0.8m/m〜1.5m/m
ノッチ深さの標準 3m/m以下
開先形状と、その補修方法を第5.1表に示す。開先形状に常に注意して、補修の必要があれば、その方法を即座に決定、指示して溶接欠陥を防がねばならない。
溶接作業者は満足な開先形状が得られるまで、溶接を施工しないくらいの気持ちが必要である。
上甲板、外板等の強度部材、水密を要する部材の開先形状には、特に留意して一部取り替え等は、絶対に避けなければならない。
なお、隅肉継手の補修方法についても第5.2表に示したが、いずれも大型船を対象としたJ.S.Q.Sからの引用であるので、小型船の場合は、板厚が薄いことから、第5.1表、第5.2表よりも数値的にはきびしくする必要がある。
5.4.5 目違い
目違いには、突合わせ継ぎ手の目違いと、隅肉継手の目違いの二つがある。(第5.34図)