要は、正しく加工された部材を正しい位置に正しい順序で正確に取付けることである。
無理な取付け、拘束は変形の原因である。作業後、再度見直すことが、誤作防止、品質、精度向上の基本である。
取付けに当っては、ピース等の仮付けはなるべく避け、治具、ジャッキ等の使用により母材の損傷を減らすべく努力すべきである。この点からハリツケ材も余り感心しない。
4.2.6 溶接作業
ブロック組立における溶接作業は、取付け作業と共に、組立作業の大半を占めるものであり、その品質、能率はブロックの品質及び組立工程の能率であるとしても過言ではない。
従って、品質と能率向上が第一目標である。
組立作業において一般に採用される溶接方法には次のものがある。
○サブマージドアーク溶接:最も多く採用されている自動溶接で。曲がりのない板継ぎに使用する。ユニオンメルトはこの一種である。
○グラビティ溶接:水平隅肉溶接に使用する半自動溶接であり、1人で3〜4台のホルダーの同時使用ができ、能率は良い。
○手溶接:溶接量の大半は手溶接である。
溶接作業の注意事項
(1)ポジショニングを最大限に行う。
船台での溶接にくらべて、残留応力、歪溶接欠陥の問題が少く、能率も良いので。なるべく地上でブロックの向きを換えて、下向き溶接に置き換えるのが有利である。
(2)溶接順序を歪防止の面から、十分考慮しなければならない。
○板材は、バット、シームの順序で行う。
○骨相互の取合、骨と板の取合の順序で、小さいものから順に行う。
○ブロック中央から周囲に向って対称に行う。多点同時溶接も歪防止に有効である。
(3)歪防止に万全を期する。
○定盤、治具への拘束、歪変形防止対策が十分なされているか確認後、溶接を始める。
○歪は溶着金属量に比例する。過大な脚長、余盛りは歪発生の原因である。
○定盤、治具上での拘束、補強状態で全溶接完了させるのが、歪、変形防止上、原則である。
○ブロック端等の一部溶接待ちも行う。
(4)廻し溶接
廻し溶接部から亀裂が発生することが多い。スカラップ、ブラケット等の廻し溶接は、作業条件の良い組立工程で確実に行う。
(5)水切り溶接