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に機器の配置については機器の操作、保守等使い易さに重点をおいて、初期に 十分検討しておく必要がある。

4.1.2 製造中検査

 上に述べた設計の検査に続いて、次は、実際の建造工程における現場の検査に なるわけであるが、承認された設計図面に基づいて船が建造されて行く過程で各部の構造を、精度、工作の良否について検査が行われる。製造中検査の内容は大略次のとおりである。

○ 材料

 材料については、先の設計の検査でチェックされたが、これらの材料の確認がミルシート又は材料試験の結果等を参考にして行われる。入手した材料に ついては、その種類別に整理整頓しておき、鋼材はミルシートとの照合を確実に行って使途を明確にしておく必要がある。

 このような材料の管理は、工程を順調に進め、さらには品質を確保するうえ でも重要である。

○ 船体工事

 船体の工事は、現図、ケガキ、加工、組立、船台等の順序で進められるが、 これらの各工程において十分な検査を行っておくことは、工事の逆もどりを防ぎ、 建造工程の順調な維持、品質の確保にぜひとも必要なことである。鋼材の切断、曲げ加工の精度、工事の良否、組立、船台工程における溶接工事の良否が検査 される。溶接工事については、原則として、鋼船構造規程の基準が準用される。溶接工事は、溶接工個人の技量によって左右されるので、溶接工技量の管理を 十分に行う必要がある。

○ 水密性

 船舶にとって水密性の維持は最重要の問題であり、立体ブロック又は船殼が 完成した状態で、諸タンクについては規定の水圧による水圧試験を、また、 甲板・外板等その他の場所については射水試験または張水試験を行い、水密性を確認する。

○ 塗装前処理

 船舶の保守は、さびとの戦いであるともいえ、塗装の良否によって船舶の寿命は 左右される。

 塗装工事を確実なものにするために、塗装面の前処理は重要なものであり、ミルスケールさび等は塗装前に十分に除去しておく必要がある。

○ 機関工事

 主機関の品質、軸系、プロペラの工事は進水前に十分にチェックしておく必要がある。

 

 

 

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