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 これらは、船の堪航性の良否を左右する要素であり、軽荷、満載等の各使用状態において、適正な喫水及びトリムを維持できるように設計されていなければならない。さらに、計画満載喫水線と載荷重量との関係は、契約上の保証とも関連して十分に 検討する必要がある。

載荷重量については、速力と同じように、造船所が保証するのが一般的であり、満載状態においてその載荷重量を確保できるように設計することは極めて重要なことである。

○ 主機関、軸系及びプロペラ

 これら相互のバランス、特に危険なねじり振動の防止については、設計段階で 十分に検討しておく必要がある。主機関、軸系及びプロペラについては、船体との 構造、性能上の関係をチェックしておくことが大切である。

○ 一般配置

 貨物倉、機関室、居住室、諸タンク等の配置は、復原性、操縦性等にとって重要であることは勿論であるが、乗組員にとって船舶の使い易さを左右するものであり、 船舶の評価は、これら配置の良否によって決まるともいえる。従って、一般配置については計画の段階からいろいろな見地で十分に検討しておく必要がある。

○ 材料

 船舶には、鋼材、木材、プラスチック等多くの材料が使用されるが、これら材料の 良否は、すなわち船の品質につながるものであり、適材適所、十分に検討された 材料を使用する必要がある。

また、船価の大半はこれらの材料費で占められるので、 合理的な設計でむだを省き、できるだけ少ない材料ですませるように心掛けるべきで ある。鋼材は、原則として日本工業規格(JIS)のもの。例えば、圧延鋼材について はSS−41を使用することが要求されている。

○ 構造

 船体構造は鋼船については、原則として、鋼船構造規程及びこれに関連した 小型鋼船構造基準、小型タンカー構造基準又は鋼製漁船構造基準が、また、木船については、木船構造規則が準用される。

○ 船体諸設備

 揚錨、荷役、救命設備については、設計の段階において、その 重要部分の強度を検討しておく必要がある。

○ 機関諸設備

 機関室内の諸機器の配置、能力等は相互にバランスのとれたものでなければならず、特

 

 

 

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