1.5.6 補助ボイラ関連系統
燃料油の加熱、甲板雑用及び暖房などに蒸気を必要とするため、補助ボイラを装備するが、補助ボイラは船の種類、蒸気の所要量などによりその装備方法も異なり、したがってその関連補機も一様ではない。
タンカーで荷油ボンブ(カーゴボンブ)、荷油加熱などに、又は貨物船で甲板補機などに大量の蒸気を必要とする場合は、水管ボイラや丸ボイラを使用するが、燃料油や潤滑油の加熱、甲板雑用などのみに蒸気を必要とする船には、目的に応じた蒸発量のさまざまな形式のボイラが使用される。
補助ボイラのほかに、航海時はディーゼル主機の排ガスを利用して蒸気を作るために、排ガスエコノマイザを装備することも多い。
(1)燃料系統
燃料タンクから噴燃ボンブで吸入した燃料は、燃料油ヒーターを通した後、補助ボイラに送られる。
(2)給水、蒸気、ドレン系統
給水こし器(カスケードタンク)に貯えられている給水は、給水ボンブで吸入・加圧されてから補助ボイラに送られる。補助ボイラで発生した蒸気は、蒸気だめに貯えられ、所要各部に通気されて仕事をする。
仕事を終えてドレンとなった蒸気は、ドレン冷却器などで完全に水に冷やされた後に検油タンクを通り給水こし器へ戻る。
図1.5.5に補助ボイラ関連系統の例を示す。