1.5.7 ピルジ、バラスト消防関係
ビルジ、バラスト及び消防装置は、いずれも船の推進に直接関係はないが、船の安全上重要なものである。特にビルジ、消防関係は船級協会、船舶機関規則等、細かく規程されているので守る必要がある。
(1)ビルジ系統
ビルジポンプは、船内にたまる漏洩水などを船外に排出するものである。しかし、機関室ビルジには油分を含むことが多いため、池水分離器(オィリーウォーターセパレータ)を装備して海水の汚染を防止している。
(2)バラスト系統
バラストボンブは、積荷状態などによって変化する船の傾斜や喫水を調整するために、バラストタンクの海水を注排水するものである。
(3)消防系統
消防ポンプは、船の消火系統に用いるもので、機関室、居住区、その他船の中のいかなる場所にも放水できるようにする必要がある。
ビルジ、バラスト及び消防ポンプは、通常、互いに兼用できるように装置されることが多く、また上記の各目的に共通して使用できる雑用ボンブを装備することもある。このため一般的には高圧・低圧の2点仕様になっており、吐出圧力が切換えできるようになっている。
図1.5.6 にビルジ、バラスト、消防関係系統の例を示す。