6.7.2 緩衝装置
荒天中では舵が波にたたかれて、その逆の力で操舵装置を破損するおそれがあるから、舵取機に直接この衝撃力がかからないようにするために設けられる装置である。
(1)鎖式伝導装置や伝導軸式伝導装置では図6.2に示すように緩衝ばね(スプリング)を設けて、この衝撃を吸収する。
(2)電気式又は水圧式伝導装置では、舵柄と舵柄弧の間に、緩衝発条を設けて連結する。
6.7.3 舵角制限装置
舵は最大有効角度以上回転しても効果があまりないので舵に舵角制限装置をつけるが、操舵装置にも制限装置がつけられるのが一般である。
(1)手動操舵装置では甲板上に回転止めが設けられ、ブラウン式操舵装置にも回転止めを設ける。
(2)ロッド式では、ペデスタルの内部のロッドにねじを切って制限装置を設けているものもある。
(3)テレモーターでは受動筒のシリンダーのところに制限金具がつけられて、シリンダーの動きを制限する。
(4)電気式では制限開閉器がかけられ舵柄が開閉器に当ると電路を断ち操舵筍動機が停止する。
6.7.4 舵角指示装置
操舵輪のペデスタルの上部に、舵輪の回転を歯車装置で舵角にかえて指示する舵角指示装置がついている。しかし、この舵角は舵の実際の動きを示さない場合があるから、この動きが実際の舵角を常に示すよう舵角指示装置の整備照合が必要である。
舵取機室には、テレモーターの受動筒及び舵柄弧の付近に舵角指示位置がついているが、舵柄孤又は舵柄につけられる指示器が実際の角度を示している。
6.8 練習問題
1. 舵頭材の径が100mの場合の舵柄各部の寸法を求めなさい。
2. 舵頭材の径が100mの場合における鎖式伝導装置の各部の寸法を求めなさい。
3. 船速18ノットで舵角を一杯にとったとき舵軸にかかる最大トルクはいくらとなるか。舵は1機とし、舵板面積2.8ポ幅1.5m舵板の先端から舵軸までの距離は0.3mとする。
4. またこのときの舵取機の所要馬力を求めよ。