6.6 操舵輪
6.6.1 手動操舵用操舵輪
鎖式など機械的に操舵する場合の操舵輪は、その直径が大きくなれば、力が節約できるが操作は不便となる。したがって操舵手が操舵しやすい限度があるので、一般に直径は握りまで入れて約1,200mm程度までである。また操舵手が舵をとらないで握っている位置は大体足の位置から1,200mmまでである。
油圧式の手動操舵の場合は、動力は用いないで油圧を起すが、操舵輪を回すカは少なくてすむから、操舵輪も比較的小さい。
なお、手動操舵用操舵輪にかかる力は、最大20kgとする。この場合ラダートルクの最大値は 1,000 - m程度とする。
6.6.2 動力操舵用操舵輪
動力操舵の場合も、手動の場合と同じ操舵輪が使えるが、操舵輪に加わる力はただ舵取機の弁を開閉するだけのカで十分であるから小さいものを用いる。
一例としては、握りの外側の直径で760mm、操舵手の手の位置が足の位置から980mmとなる。
6.7 その他の付属装置
6.7.1 制動装置
船舶が停泊中舵を中央に保って静止させておくため及び操舵装置の故障で応急操舵に切りかえるとき、舵を一時静止させるために設ける装置である。摩擦制動式のものでは舵柄の下側に制動用金具が取付けられ、レバーに取付けられた木製の摩擦材が左右のハンドルを廻すと金物に押し付けられて舵を静止する方法である。
手動装置では船の両舷側から舵柄にテークルを取ってしめつけて制動する方法もある。