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プランジャの摩耗や腐食、膠着などは交換修理しなければならないが列形ポンプの場合は、テストスタンド上でタイミング、噴射量などを調整しなければならない。噴射量は±3%以内に各シリンダ共に入るように修正する。ユニット式の場合は、交換修理後に各シリンダのヘッド出口における排気ガス温度を30℃以内に入るように、微量調整しなければならない。いずれも定格又は、連続最大出力及び回転速度で調整する。

C)コントロールラックの作動不良

コントロールラックはどの位置においても、円滑に軽く作動しなければならない。コントロールラックの作動に渋りがあると、円滑に作動できないので、回転不整を生じる。コントロールラックに渋りがある時は、ピニオンギヤとの噛合い不良、摩耗破損、ラックの曲がり、他との干渉の有無、プランジャの膠着、戻しバネ折損などを点検し、修正しなければならない。

d)リンク及び連結桿の不良

曲りやこじれ、連結ピン摩耗などがあると、円滑に作動できなくなり、不整回転を起こす。V形機関の場合は、左右のシリンダに設けられた噴射ポンプのコントロールラックを接続する連結桿の取付調整不良があると、左右シリンダの噴射量にバラツキを生じて、回転不整となることがある。

2)負荷変動

(1)オーバーロード

負荷が大き過ぎる時は、回転低下を生じ、不安定な運転状態となり、回転不整となり易い。負荷を減少して様子をみることが必要である。

(2)摺動部焼付き

摺動部が軽い焼付やスカッフを生じると、回転が整定し難くなり、不安定な運転状態となる。

(3)クラッチスリップ

クラッチがスリップを生じると回転が上昇し、スリップが止まると、回転が低下し安定した運転ができなくなると共に、潤滑油の温度が上昇し、焼け焦げた異臭を生じる。トローリングや定速弁を操作する時は、機関回転を最低速に落して行なうので、殆ど異臭を感じることは余りない。

(4)負荷変動大

負荷の変動が激しい時は、それに応じてガバナが機能するため、機関の回転が整定しない。

 

 

 

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