3)ガバナ故障
(1)変動率の調整不良
ガバナの速度変動率の調整を鋭敏にし過ぎると、わずかな負荷変動に対しても、敏感に察知して対応するため安定した回転が得られ難くなるので、以下に示す通り速度変動率を調整しなければならない。一般的な速度変動率の調整範囲
・発電機セットの場合 ・一般動力用の場合
瞬時速度変動率10%以下 瞬時速度変動率15%以下
整定速度変動率5%以下 整定速度変動率7%以下
a)メカニカルガバナ(RSV,RSUV形)
高負荷時の回転不整は、ガバナスプリングカが弱いので発生するから、スイベルレバーのアジャスティングスクリューを締め込み、バネ力を増す。締め過ぎると変動率が悪化するので、規定内に入るように調整しなければならない。この調整後は、無負荷最高回転速度の調整を行なわなければならない。
b)メカニカルガバナ(RUV,RQUV形)
上部のプラグを外し、フライウエイトのアジャステイングスクリューを時計方向へ回して、バネ力を増すと、速度変動率は鈍化して、ハンチングが止まる。フライウエイトは、2個あるので、両方共に同量づつ均等に締め付けて調整する。最後に無負荷最高回転速度を調整する。
c)油圧ガバナ(PSG,RHC,UG形)
ニードルバルブの調整不良、汚れた油や気泡を含んだ油、パワーピストンの固着、内部部品の摩耗、ドレン孔の詰まりのほか、速度ドループの調整不良などである。速度ドループは、ガバナカバーを開き、次図に示す速度ドループブラケットの位置を、スライドして調整する。ブラケットの支点ピンが、出力軸中心線と一致した所が零ドループであり、通常は、適度な正のド

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