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オーバーヒートを起す。

?ファンベルトの不良

ベルトが切れたり、張り不足や油脂付着でスリップを生じると、送風量が不足して冷却できなくなり、オーバーヒートを起す。

?ラジエータの汚れ

冷却フィンの表面に土砂やほこりなどが付着すると冷却できなくなるので、オーバーヒートを起す。圧縮空気で冷却フィンを清掃修復すると共に洗剤で内部を清掃する。

?ヒートエクスチェンジャーの汚れ

海水通路内壁にスケールが付着したり、錆を生じると熱伝導が悪化して、冷却不足となり、オーバーヒートを起す。冷却パイプの外側に付着したスケールは洗剤で清掃する。

?空気冷却器の汚れ

空気冷却器の水通路にスケールが付着したり、空気側の冷却フィン表面に汚れが付着堆積すると、給気温度を低下できなくなり、酸素不足で出力低下すると共に、燃焼温度が上昇するので、オーバーヒートを起す。空気冷却器は2〜3年毎又は定期的に洗剤を用いて、洗滌清掃し、冷却効果の減少を防止しなければならない。

(5)潤滑系統の不良

オイルの入れ過ぎ、不足や汚損劣化した場合は、潤滑油そのものの温度が上昇して、劣化を促進するので、オーバーヒートを起こし易くなる。運転する前には必ず点検して、必要な処置をすること。

?潤滑油ポンプの故障

軸受けや歯車、ケーシングなどが摩耗するとポンプ性能が大巾に低下し、送油量が減少し冷却不足となりオーバーヒートを起こすことがある。運転中は潤滑油の圧力に注意しなければならない。軸受け焼付、軸の折損を生じた時は、送油不能となり油圧が全く零になり、主要部が焼付くので、直ちに運転停止をしなければならない。

?油圧調整弁の故障

弁の摩耗、スプリングのへたりや汚損の場合は、リーク量が多くなり、送油量が不足して油圧が低下し、潤滑不良は勿論のこと、オーバーヒートを起す。このような場合や、メタル摩耗によるリーク量過多で油圧が低下した時はネジの締込みだけで調圧すると、チャタリングを生じ、弁の摩耗、バネ折損を誘発することがあるので、原因を探求して修復しなければならない。

 

 

 

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