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5)オーバーヒート

(1)冷却水の不足

冷却水が不足すると、機関がオーバーヒートを起こし、各摺動部スキマが小さくなり、摩耗抵抗などが増加して出力が低下する。極端な時は焼付きを生じるので運転する前には必ず点検すること。

(2)ジャケット内壁の汚れ

冷却水通路内壁にスケールが付着堆積すると、熱伝導が悪化して、オーバーヒートし、熱膨張による亀裂を生じ易く、摺動摩擦が増して出力が低下する。

(3)室温水温の上昇

気温が上昇すると機関室の室温が上昇し、吸気温度が高くなるので、空気密度が低下して、出力不足となる。冷却水温度も同様に、気温が高くなると上昇するので冷却効率が低下する。いずれも、極端な温度上昇は、機関のオーバーヒートを起こす原因となるので、ラジエータやヒートエクスチェンジャの容量増加や、サーモスタットの設定温度を下げるなどの処理が必要である。

(4)冷却装置の不良

?冷却水ポンプの性能低下

インペラやケーシングの摩耗、ユニットシールの水もれ、ベアリング摩耗損傷などにより、吐出性能が低下して水流が不足して、オーバーヒートを起すことがある。特にゴムインペラ形の場合はゴムインペラの摩耗損傷やカム板の摩耗による寿命が比較的に短いので時折点検して、交換しなければならない。

?サーモスタットの故障

ワックスの変質、ワックスの流失、弁軸の曲がりやこじれなどにより、弁が開かなくなると、冷却水がラジエータやヒートエクスチェンジャーに流れなくなるので、

 

 

 

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