るのである。修正後、青ペン又はベアリングレッドをバルブにうすく塗布してシート面に強く叩きつけ、当たりを点検し、外当りとなることを確認する。摩耗が軽微な場合は、コンパウンドと油摺りだけで修正する。シート面の当り巾は1.5〜2.Omm程度に修正し、当り巾が2.0mm以上になった場合は、角度の異なるカッタでシートを削る。(2)バルブとガイドの摩耗
バルブステムとガイドのスキマが摩耗により、大きくなってくるとバルブの着座が不安定となるため、シート面への当り不良となり、ガス吹抜けを生じ易い。またオイル下がりによるカーボン噛み込み、熱伝導不良によるバルブ溶損、欠損、スティックなど、色々なトラブルの原因となる。従って限度以上にスキマが大きくなった場合は直ちにバルブ又はバルブガイドを交換修復しなければならない。
(3)ピストンリングの摩耗
ピストンリングが摩耗すると合ロスキマが増加して、圧縮もれやガスもれを生じ、オイルコントロールができなくなると共に、リング背面からのガス圧力増加により摩耗が一段と促進する。従ってピストンリングは1〜2年毎又は定期的に交換しなければならない。
(4)シリンダライナの摩耗
シリンダライナが摩耗すると、ピストンリング摩耗と同様な状態となるほか、殆んどの場合、ピストンスラスト力による偏摩耗により楕円形になって摩耗する。従って圧縮もれ、ガスもれで出力が低下するほか、オイルコントロール不能となるので、限度を超えて摩耗したものは交換するか、スリーブ式の場合はボーリングやホーニング修正して、オーバーサイズ化を計る。
(5)ピストンピン部の摩耗
ピストンピン及びロッド小端部のブッシュとのスキマが摩耗して、大きくなると、衝撃摩耗が促進され圧縮比が小さくなるので出力が低下する。限度以上に摩耗した場合は、ピストンピン又はブッシュを交換修復しなければならない。
(6)クランクピン部の摩耗
ピン及びメタルとのスキマが増加すると、衝撃力が一段と大きくなり、摩耗を助長すると共に、ロッド大端の応力が急激に増大して、大端部に歪や変形を生じ、メタル焼付きを誘発する。限度以上に摩耗した場合はメタルを交換して修復する。またピンを研削修正した場合は、アンダサイズの厚肉メタルに交換しなければならない。
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