るため、給気圧力が下がることで最高圧力も下がり、逆に排気ガス温度が全般に高くなることがある。
?各データの性能チェックに対する対応は、「舶用機関整備指導書その1」第2章3. 故障診断の要因図を参考にするとよい。
4)舶用特性曲線上の作動点のチェック
海上運転では、機関出力が水中で回るプロペラによって決定されるため、この時の機関回転数と機関出力の関係をチェックすることが大変に重要である。152頁で陸上試運転の負荷試験の各ポイントを舶用特性曲線として縦軸に出力、横軸に回転数として平面上に表すと5・30図となり、この平面を使用して作動点のチェックをする。この舶用特性曲線を描くときには、同一平面上に何本かの回転マージンを加えた曲線と機関作動点の使用許容範囲をいれておくと、非常に理解がし易い。
5・30図を説明すると、
?回転マージン + 4%曲線:新造船を計画するときに、プロペラにマージンをつけ、設計するため、海上試運転時の予想作動線。
回転マージン + 2%曲線:理想的な就航中の作動線。
回転マージン − 4%曲線:トルクリッチ上限作動線。
Aゾーン:連続使用許容範囲、通常はこの範囲で運転されなければならない。
Bゾーン:短時間使用許可範囲、新造時の海上試運転でスピードを計測するためや、時化を避けたり緊急時に使用する範囲。
なお、新造時に限っては106%の回転までは上げることがある。
Cゾーン:使用禁止範囲、トルクリッチのため運行上危険であると同時に経済的にも燃料使用量が急増して不利である。
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