すけれど、今日、先程近藤さんが、卓球の仲間に聞こえないときは気持ちよく筆談もしてもらって、楽しく過ごしていらっしゃる、ということだったんですけど、何かそういう、健聴の方の中に入ったときにでも、私はこういう工夫をしてます、とか、心がけをしてます、というようなことがありましたら、近藤さんのほうに是非その秘訣を教えて頂きたいなと思うんですけれども、如何でしょう。
田島/有難うございました。本来は今日ここにお集まりの会場の人たちの中に、やっぱり意外なことをやってられる方、沢山おられると思うんですね。ですから、そういう人たちの意見も出してもらったりすれば、これも生き甲斐の検証になるわけですけどね。ちょっと時間が追い詰められてきましたので、そういうことを頭の隅において、一番大切な問題を最後に話し合って、このパネルを閉じたいと思います。というのは結局、高年難聴者がこの高齢化社会の中で、一般高齢者と共にどうやったら元気に健康に生きていけるのか、高年難聴者が一般高齢者の輪から押し出され、落ちこぼれてるのではないか。国や地方の行政が高齢化対策ということで、沢山のお金を出しているけれども、使ってるけれども、それは高年難聴者が加わることが出来ないものが多いのじゃないか。自分たちのことを一般の高齢者の人は中々理解してくれないし、高齢者の関係機関も中々理解してくれない。そういう漠然とした不満や不安、そういうものがあったと思うんですね。それでやっと行政も厚生省も、縦割りから横割りに変える試みとしての推進室が出来たということです。このパネルディスカッションにも、老人クラブ連合会の鈴木先生をお招きしたということで、なんらかの一つの融合していく、一緒になっていく、お互いを理解し合える、きっかけになればなあというのが、このパネルディスカッションの目的の一つだと思うのです。で、そこの壁の問題について、最後ちょっとお話頂いて、閉じたいと思います。鈴木先生、どうですか。高隼難聴者というものに対して、やっぱりここへ来られる前、よくわからなかったのと違いますか?
鈴木/あのう、数年前に全国社会福祉協議会で「聞こえのシンポジウム」というのが初めて開かれまして、聞こえの問題について学習する機会があって、私、全国社会福祉協議会に30年勤務していて、事務局長を最後してたんですが、聞こえの問題をとりあげたのはそのときが初めてでした。それから去年か一昨隼、理事長に呼ばれまして研修会に一度出させて頂きました。今日改めて感じるんですが、社会史系の大学の敦育の中や、或いは国家資格の社会福祉史、介護福祉史のテキストの中に、聞こえの問題や補聴器の問題がどれだけ入っているのかな、と。老人ホームの寮母さんやホームヘルパーさんの教育の中で、この問題がどれだけ取り上げられているのかな、ということを改めて感じて、関係の人とまた話し合ってみたいと思います。身近で出来ることとしては、全国老人クラブ連合会が毎月数万部の機関紙を出しています。近いうちに是非、この聞こえ、難聴の問題を特集して取り上げたいと思います。どうも有難うございました。
田島/それは有難いことで、一つ具体的なやることが出来ました。それから高岡さん、「聞こえの教室を開きたい」というときに、やっぱりちょっとそういう、大学とか介護とかのね、科目の中に「聞こえ」ってあんまり今まで入ってなかったと思う。今はどうなってるかわからんけれども、そういうことも展望して、ちょっと考えられて、そういう気はありませんか。
高岡/実は来年の2月に徳島で行なわれる「補聴学セミナー」ですね。やっぱり私たちがこういうセミナーに参加して、一定レベルの知識というものを持っていないと、例えば老人クラブ連合会とか、或いは色んな社会福祉関係、病院関係者のところでお話するときに、変な間違ったことを話しても困りますので、全難聴独自の研修会を開いて、そこを修了しないとそういうところで講演してはだめ、というようなものが必要かなと思ったりし