日本財団 図書館


それ自体が健康保持や認められることに色々つながる。焼きものでもコーラスでも水泳でも太極拳でも、いっぱいあります。難聴の方でも水泳や、先程近藤さんが卓球とおっしゃいましたが、出来ることは沢山ある。やはりですね、発表して評価をされる機会があるということが、生き甲斐のポイントだと思います。誰でも認めて欲しいんです。だと私は思います。それからもう一つは、大いに遊んで、大いに社会貢献する。時にはボランティア活動、先程お話にもありましたが、ボランティア活動「花いっぱい」、かばん作り、コスモス街道作り、桜の苗木を20年計画で植えてる老人クラブがありました。難聴の皆さんも一緒に参加してプランター作ったり、苗木を植えるのは全く可能なことだと思いますし。やはり、ご自分が楽しむことと、地域社会、仲間と一緒になって何か社会貢献に参加する、その二つが私は生き甲斐のポイントじゃないかな、と思います。

田島/浜田先生、相談に見えられる方で、やっぱり愚痴を言う人が多いと恩うんだけど、生き甲斐について何かそういう雑談をしていく人は、どんな傾向ですか。

浜田/結局、聴覚障害者のリハビリテーションということを考えるときに、今日午前中の報告でもありましたけれども、やっぱり聞こえないということによって失ったその方の簡単に言うと、社会的な役割というかな、例えば主婦なら主婦として、或いは一家の主なら主として、或いはタバコ屋のおかみさんならおかみさんとしての地位を回復する、ということだ、と思うんですよね。そういう意味で、例えば耳が聞こえていた時には、色々ああいう楽しみがあった、こういう楽しみがあった、でも今それが出来なくなっちゃった。ということについての相談というのは、実は特に高齢の方にとっては大きいんですね。で、たまたま以前の経歴に応じて非常に、これだ、というものが見つかる方の場合は、そういう所をご紹介する場合があります。けれども多くの場合はそういうことに中々出会えない。で、今までもやったことがないという方が多いんですね。そういった方には、僕はどうしているかというと、もし外に出て色々やって見たいことがあるのなら、一度東京都の中途失聴者、難聴者協会というところがあるから、そこにこういう冊子なんかもあるし、出してみてはどうか、とか、或いは東京の三田という所に障害者会館という所がありますけれども、そちらのほうで、唇を読む読話教室をやってたり、或いは難聴者用の手話教室なんていうところがあります。そちらのほうに行ってみたらどうか、という話をします。そうしますと、読話の勉強をするとか、手話の勉強をする、ということ以上に「ああ、なんだ、聞こえないっていうのは、自分だけじゃなかったんだな」「聞こえなくったって、こんなに色々楽しいことがあるんだなあ」というところで、難聴者の集まりですごく楽しむということを思い出して、また自分の地域の中でまた自分なりに、さっきおっしゃった太極拳を始められた方とか、或いは何か趣味活動を始めたという方、沢山おられますね。僕みたいな若造がすぐ、こうすればいいよ、というような相談というのは中々出来ないのですけれども、同じ障害を持った方たちの集まりの中に一度入ってみると、随分そこから、何が出来なくて、でもこうすれば出来るというようなことが、どんどん広がっていくのかな、と今ちょっと思ってます。

田島/湊川先生、以前、何かそういう相談を受けられたときに、感じられていることありませんか。高年難聴者の場合の生き甲斐ということで。

湊川/ちょっと今のところ思い浮かびませんので。

浜田/一つよろしいですか?さっき近藤さんのお話ありましたよね。多分ここにお見えの皆さんも、そして今日こういうことがあるということを知らない、本当は来たかったような人たちも、実は健聴の人たちの中に自分が入っていって、どれだけ楽しい活動が出来るのかということは、非常に不安でもあるし、現実問題そこで一つ大きなハードルがあったり、ということがあると思うんで

 

 

 

前ページ  目次  次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION