こういうものも含めて広い意味での銀行、ということを私は言いたいのです。
田島/はい。徳島の遠藤さん、一つ教えて下さい。徳島でやっている相談では、難聴障害者だけではなくて、一般のお年よりも沢山訪ねてられますか?
遠藤/その点についてなのですが、今先程紹介したことは徹底的なフィッティングということなんですけどね、これはあまり相談に乗ってくる人が少なくて、県の広報なんかでも広報しているんですよ。それから徳島大学病院、それから県立中央病院の院長は耳鼻科の先生ですけどね、或いは徳島県の赤十字病院の耳鼻科とも関連して持っていますが、それらの病院を通しても、徹底的な相談に乗ってくる人は少なくて、結局私のほうのルートで出している患者が一番多いです。だからこの問題は色々な論点を……。
湊川/あの、よろしいですか。これはね、相談に行っても結局相談だけで、補聴器屋さんに紹介される、ということではね、これは何も得るところがないわけですね。相談に行った上でそこでもし自分に合う補聴器を得ることが出来たら、こんなに有難いことはないわけです。そういう意味で私は今こういう案を出しているわけです。
高岡/補聴器の間題は一つにはやはり心の問題があると恩うのですよね。やはり補聴器をつける、と言ってもですね、皆さんやっぱり目立たないようなね、小さな補聴器を先ず買ってみようとするんですよね。ですからそのへんの問題を一緒に扱わないと、やっばり難聴者が目覚めるということは、中々出来ないと思うんです。今東京都のセンターに毎隼2千人の難聴者の方が来ています。これらの方が毎年東京の難聴者協会に入れば、東京の難聴者協会はもう会員が1万人位いるわけですよ。ところがとてもそういうふうにならないというのは、まだまだ自分から同じ障害を持っている仲間を求めるとか、聞こえないということに対して本当に前向きに生きて行こうというところまで行かないのですね。そういう人の問題をどこかもっと気軽に立ち寄れて、ちょっとした情報をもらって、それを自分で温めていってどこかで障害を受容する、というようなきっかけを与えるということが、大事じゃないかなと思ってます。
田島/わかりました。補聴器というのは、難聴というよりも聞こえとコミュニケーションと言いますか、少し幅を広く持ちながら、もう少し広く普及できるようないろんな場を設けていく、そういうことも考えていかなければならない、そういうことだと思います。そこで、この問題でもう一つだけ、最後にやっぱりテレピの字幕の問題というのが、お年よりにとっては大きいと思うんですね。テレビがわかる、ということで。それで全難聴さん、国会請願やられて、郵政省では民放の字幕製作費の半分は助成するという予算を考えているということですが、字幕のこれからの可能性ね、可能性ということで、ちょっと高岡さんから少し説明してほしいのですが……。
高岡/これは2年前に全国社会福祉協議会で調査をした結果で、毎日の生活でどのような音に不自由を感じているか、という調査なんです。これは老人クラブの会員2千人の方を対象にした結果なんですけれども、一番不自由してるのが、家族との会話、58.5%、二番目が電話、52.3%、三番目が病院での呼び出し、問診で51%、四番目がテレビ、ラジオで、44%でした。大体半分位の方がこんなに身近な間題でやっばり不自由を感じているということは、非常に大きな間題だと思います。同じようにデイサービスセンターというのが各地で出来ていますけれども、その中で上の線が補聴器を使用している人で、斜めの斜線が補聴器を使用していない人です。で、補聴器を使用している人で、テレビやラジオに不自由を感じている人は、やはり49%で半分の方が不自由を感じています。補聴器を使ってない人は、テレビやラジオが聞こえないというのは二番目に多いわけですね。これは、聴覚障害者専用放送システム