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ぎの弱った人がゆっくり歩くウォーキングを分けるとかですね、色々工夫が始まっています。
 多分私は難聴に関しては素人ですが、難聴の皆様の中でも程度も色々だと思います。年齢幅も広がりますから、色々工夫をして生きがいとか社会参加を、考えて頂くといいんじゃないかなというふうに思います。以上です。

田島/ありがとうございました。今のお話の更に詳しい事は討論の二つ目の所でまた補足をして頂こうかなと思っております。続きまして、高岡さん、よろしくお願いします。

高岡/私がお話したい事は、今日のパンフレットに書いてありますが、昨日今日のお話を伺って感じた事を合わせて、お話したいと思います。
 一つはですね、やはり高齢化社会の中で、聞こえの間題がいかに重要かという事にですね、社会がまだ気が付いていない。また、多くの難聴者自身も気が付いていないんです。つまり、自分が、聞こえなくなった、聞きにくくなったという事が、自分に対してどのような影響を受けているのか。あるいは社会に対して、どのような影響を与えているか。家族との人間関係を損なったり、職場で同僚とうまくやっていけないとか、そういう事についてまだまだ分析が足りないのではないかと思います。それは今年の8月に国際難聴者会議に行って感じた事ですが、外国の報告の多くは、自分の聞こえないということをですね、非常に細かく分析しています。何歳くらいで聞こえなくなって、人間関係がどういうふうになったとか、仕事を失ったとか、その事によって自分が世界に対して貢献できなくなった意味、それからアイデンティティーの問題とか、非常に細かく分析されています。そういう事がまだ日本では不足しているかなと思います。
 もう一つは昨日のニノミヤ・ヘンリー先生のお話にもありましたが、聞こえないという事が、大きな精神的なストレスをもたらすという事。また、情緒面での障害、社会参加からの疎外感といったものを生み出しているという事は、今パネラーの体験発表の方のお話からもおわかりと思います。
 その解決する方法として、二つ取り上げたいのですが、一つは社会環境をもっと難聴者に優しい作りに変えるという事ですね。これは横文字で言いますと、バリアフリー化を進めるという事ですが、今私達が進めている運動、要約筆記の運動も、耳マークの普及の運動も、字幕放送を拡大する運動も、今の私達に役立つだけではなくて、これから難聴になる人のためにもなる運動なんですね。具体的にはいろんな事が考えられますけれども、一つはテレビの字幕というものをですね、もっともっと増やさなくてはいけないという事。それは日本では、テレビという文化が非常に大きな位置を占めているからです。それから、通信です。電話の事ですね。電話の問題は皆さんもお感じかも知れませんが、今携帯電話が爆発的に普及しておりまして、この間の新聞では2000万台と言っておりました。ところが、公衆電話というのは沢山あるようですが、全国で90万台しかありません。携帯電話が2000万台。その携帯電話というのは補聴器を付けている人には使えないんですよ。妨害の音が入って聞こえないんですね。こんなに普及したものを、難聴者が使えないでおいとかれるということ自体がですね、非常におかしいんです。逆にこういう電話なら難聴者でも電話ができるという電話ができとかないとおかしいんですね。そういう考え方が必要です。
 もう一つの要求したい事は、聞こえの問題についてですね、もっと気軽に行けるセンターをあちこちに作る必要があるという事です。今は耳が遠くなったら補聴器屋さんに行くか、お医者さんに行くわけですけれども、皆さんもおわかりのように、聞こえにくくなったという事は、最初は自分の能力が低くなったと思います。ですから、お医者さんとか補聴器屋さんに行きにくいんです。やはり、敷居が高いです。そうではなくて、もっと買い物の途中にぶらっと立ち寄れる、聞こえの相談室みたいな、そういう所に行って、どういう補聴器があるのかとか、いつごろから補聴器を使い始めたらいいのかとか、あるいはいろんな機械を試供できる、そういうようなセンターが必要だと

 

 

 

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