ます。私は年を取るに従って段々聞こえにくくなってきました。特に大ホールの講演は殆ど耳に入らず、要約筆記のボランテイアの皆さんの手で、スクリーンに映し出される要約筆記のお陰で大変助かりました。平成6年頃より通常のテレビの音量では聞き取れず補聴器の必要を感じていました。たまたま補聴器店の折り込み広告で、厚生年金受給者に特典のあることを知り、手続きをしてもらい耳掛け型補聴器を無償で頂きました。本年子供の好意で耳穴型補聴器にかえ使用しています。補聴器も完全に聞き取れるとはいえません。テレビのニュース等の字幕は難聴者にとって大要を知るうえで必要です。
過去の新聞に補聴器の普及率の日米比較で一人当たり換算すると米国は日本の倍に当たる。日本国内には補聴器を必要とする難聴者が約600万人いるが、実際に利用している人は165万人程度である、日本では補聴器に対して見た目の悪さから暗いイメージがあるが、米国では見た目よりも意思疎通するという目的が重視される。この違いが普及率の差になって現れている様だとありました。
大変長くなりましたが以上で私の話を終えさせていただきます。
田島/ありがとうございました。お二人に一つづつくらい、ご質間があれば承ります。
山口さん、ボランテイア活動で集まる時、補聴器で聞こえますか、今。
山口/補聴器を付ければ耳に入ってくるわけですが、やっぱり、向こうで話しておられるのは聞きとりにくいんでございます。
田島/わかりました。それから尾上さん、ループを聞くと補聴器の具合が悪いと前お話していましたね。少し辛抱したら、元に戻ると思うんですがどうですか。
尾上/そうですね。隣に遠藤さんいらっしゃるんで、ループは向かんという話をすれば、ちょっと具合が悪いんではと思ったんですが、確かに3年前ぐらいでしたか、補聴器のTスイッチを切って、普通のスイッチに戻したら、全然音量も違うし、音質も違う。その反対に、NからTに変えた時に、音量が大きく聞こえる場合と、小さくかすかに聞こえる場合があったわけなんです。それで切り替えた時には全く音のない、それこそ音のない世界に入れられたなという感じがしたから、嫌になったというだけのことなんです。
田島/あの、多分ループといっても、きっちり張ったループと、きっちり張らなかったループでは、ループと言えない場合もあるわけです。で、きっちり張ったループでよく聞こえて、補聴器に戻すと、ちょっとの間は聞こえにくい。ちょっとです。暫く待つとまた聞こえるようになる。またそういうこともあると思います。
それでは、体験発表の方々の意見に関連しましては、パネリストの先生方のこれからの御発言の中にも、出てくるかと思いますので、先生方の冒頭での御発言をお願いします。一人8分ぐらいの所で、あと足りない部分は討論の時に御発言頂くということで、鈴木先生からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
鈴木/はい。御紹介頂いた鈴木五郎です。今まで難聴の話が続いたんですが、私は全然違う角度で、高齢者の生きがいということについて、お話したいと思います。というのは、難聴の皆様も当然長寿で、80,90、もしかしたら、100歳越えて、皆さんも長生きされるのではないかなあと思います。現在、高齢者を理解するのには、新しい見方が三つ程生れています。
一つは、長寿社会がものすごい個人差を伴っているということが、ますます顕著になってきました。私はつい最近警察庁の交通事故の委員会に入っておりましたが、日本で男性で最高齢の運転免許証を持っている方は、101歳が3名おります。女性では京都に94歳の方がお一人いるそうです。NHKの「小朝が参りました」というのを見ていると、毎週100歳を越えた方が出てきます。ある学者の説では西暦2020年になると、100