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せ。後半の階段座席の皆様は、当ホールの規則によりお席での飲食は出来ませんので、ご面倒ですが向かい側の第ユ、第5会議室にお席がありますので、そちらでお召し上がり下さいませ。
 講師、コーディネーター、パネリスト、体験発表の皆様方は、第4会議室の本部室にご用意していますので、そちらにお運びくださいませ。なお体験発表の皆様で、お弁当の引換え券をお持ちになっている方は、第4会議室で係員にお渡し下さい。12時45分より15分間、「テレビ電話による家庭看護の事例」の紹介がありますので、お席にお戻り下さる様お願いいたします。又、ロビーで補聴器その他の展示をしておりますので、休憩時間にごらん下さいませ。
 それでは12時45分まで休憩いたします。

川野/では午前の部に統きパネルディスカッションを継続いたします。コーディネーターの田島様、パネラーの皆様よろしくお願いしたします。

田島/田島でございます。それでは午後の部を始めます。皆さんお弁当を食べられまして、お腹がいっばいになりますと、どうしても眠くなるんですけどね、あと2時間ですから、頑張ってやりましょう。それでは、午後の部体験発表、近藤さん  と山口さんに続けて発表して頂きまして、その後ちょっとご質問を受けるという事にしましょう。
 三番目の大阪茨木市の近藤庸子さん、完全中途失聴の時代から、大変真面目に着実に生きるという事を続けてこられまして、人工内耳手術を受けられてからは、更に様々な方面に意欲を燃やしておられるようです。近藤さん、よろしくお願いします。

近藤/私は大正8年生まれの77歳です。25年前位から中途難聴者となり、耳の障害は1種2級です。どんな音も雷の音さえも聞こえませんでした。家で同居している孫娘は、私の事をくそ真面目だといって敬逮しています。その理由は朝早く起きて6時に朝食、正午に昼食、6時に夕食をとり10時頃にはお風呂に入って寝るという小学生並の日課を守っているし、パチンコにもカラオケにも行かない。テレビはNHKばかり見ていて殆ど笑わない。本当にくそ真面目な人間とだというのです。私だってサンマやたけしのジョークやギャグを聞いて笑いたいのです。でも中途難聴で何も聞こえないから、字幕の付く事の多いNHKをよく見るのです。私の知人で50才位の男性ですが、NHKのアナウンサーのしたり顔が嫌いだと言ってNHKの放送はほとんど見ないのに、聴取料は同じように取られるとぼやく人がいます。勿論健聴者です。民放のスポンサーは広告が目的なので、字幕はほとんど付かない、聞こえない私には見ていても全く訳が分かりません。好き嫌い出来るは問題外なのです。私の四分の一位しか人生経験のない孫娘に、理解出来るはずがありません。何時だったか何気なく孫娘の見ているテレビの画面を見たら、茶髪の若い男の子が、舞台狭しと走り回って歌をうたっていました。これは何なの?と聞きますと「シャランQ」だと教えてくれました。彼女の顔にはこんなものも知らないのかと少し軽蔑の表情が見られました。私は歌手ではダークダックスの様にきちんと背広を着て歌う人達が好きです。シャランQには全く驚きました。時代の相違をつくづく感じました。
 人工内耳の手術は、4月末に京大病院で受けました。入院中同室だった人々は私の年齢を知ると「今から手術をするのですか?」と一様に驚かれました。「勇気がありますね」と言う言葉には少し皮肉な感じがしました。耳が聞こえない為に現代の世情にも疎くなり、若い人達にくそ真面目と敬遠されることに対する反感も少しあったかと思います。
 孫の意見は今の若い世代の健聴の人達の意見の集約だと恩ったからです。聞こえない為にどこか欠陥のある人間だと思われ、人間性まで疑われるのは辛いです。何時だったか「電車の中で若いカップルがべちゃべちゃ談笑したり、携帯電話を長々とかけたりしているのは耳障りだと新聞の投書を読みました。私達失聴者はそんな煩わしさは感じないで済みますから腹を立てることもありません。

 

 

 

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